春先に白い花を咲かせるモクレンやコブシを見ると、本格的な春の訪れを感じます。
2つの花は木の高さや花の形が似ているので、しっかりと見分けがつく人は少ないのではないでしょうか。
今回はモクレンとコブシについて比較してみたいと思います。
目次
1.モクレンとコブシの違いは?見分け方をかんたん紹介
写真::モクレン
モクレンというと本当は赤紫がかったシモクレンを指すのですが、白い色のハクモクレンが多く見られます。
それがコブシと混同されやすいので、この記事で表記するモクレンはハクモクレンと考えてください。
モクレンもコブシも同じモクレン科モクレン属に属する花で、樹の高さも花の付き方もよく似ています。
また、花が咲く時期も3月から5月と同時期で、見分けが難しいのも当然なのですが、次の3つの違いがあります。
モクレンとコブシの違い①「花の大きさ」
モクレンの花の方が大きく8㎝から10㎝の大きさがあり、花びらの幅も厚みもあります。
一方、コブシの花の大きさは5㎝ほどで、花びらは薄くて幅が狭くなっています。
モクレンとコブシの違い②「花の咲く向き」
モクレンは花が上向きに、また大きくは開かずに咲きます。
一方、コブシは色々な方向を向いて咲く上に、花びらもかなり開きます。
モクレンとコブシの違い③「花の付け根」
花の付け根を見ると、モクレンとコブシの違いは一目瞭然です。
モクレンにはありませんが、コブシの花の付け根には1枚の葉がついているのです。
これら3つの違い、特に花の付け根の違いを覚えていれば、モクレンとコブシを間違えることはないでしょう。
2.モクレとコブシの原産地や名前の由来
モクレンの原産地、由来
モクレンの原産地は中国南西部です。
花がランに似ているということで「木蘭(もくらん)」と呼ばれていましたが、蘭よりもハスに似ているということで「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになりました。
コブシの原産地、由来
コブシの原産地は朝鮮半島と日本です。
果実がごつごつで、握りこぶしのようなデコボコがあるということでコブシとよばれるようになりました。
3.モクレンとコブシの違いを花言葉で知ろう
モクレンの花言葉
モクレンの花言葉は、「自然への愛」「崇高」「持続性」で、それぞれに理由があります。
「自然への愛」は、花が一斉に咲く春に一際目立つ大きな花で自然を謳歌しているように見えることから付けられました。
「崇高」は他の庭木より大きく美しい姿に、威厳や荘厳さを感じることから付けられました。
また、モクレン(木蓮)の名前の由来になったハスは仏教に関わる高貴な花で、極楽に咲く花とも言われています。
そこから花言葉の「崇高」につながったとも考えられます。
「持続性」は、モクレン科の植物が地球最古の木の1つだと言われていることに由来します。多くの化石が発見されていて、1億年前から存在していたと考えられているのです。
コブシの花言葉
コブシの花言葉は「愛らしさ」「友情・友愛」「歓迎」です。「愛らしさ」は、つぼみの形が子供の子どもの握りこぶしのように可愛らしいことから付けられました。
「友情・友愛」は、いくつもの実がくっついたような果実の形を、固いきずなで結ばれた友情に見立てたものです。
「歓迎」は、ふわりと大きく開く花の形が、手を広げて歓迎しているように見えることに因んでいます。
4.モクレンとコブシに関する豆知識を紹介
モクレンの仲間は?
マグノリアという花名を聞いたことがある人もいることでしょう。ある特定の花をマグノリアと呼ぶ場合もありますが、本来マグノリアとはモクレン科の花の総称です。
ですから、マグノリアの中にモクレン、コブシをはじめタイサンボク、オオヤマレンゲなどの花が含まれるのです。
コブシの別名
コブシは地方によっては別の名前で呼ばれることがあります。代表的なのは「タウチザクラ(田打ち桜)」で、コブシの開花が田んぼの準備を始める目安となったことから付けられた名前です。
また、北海道の松前地方では「ヒキザクラ」「ヤチザクラ」などと呼ばれることもあります。
最後に
似ているように見えるモクレンとコブシについて、見分け方から名前の由来、花言葉などをお伝えしました。
この記事をしっかり読んでくれたあなたは、来年の春はきっと2つの花をしっかりと見分けられることでしょう。