桜を詠んだ和歌ベスト10!時代を超えて詠みつがれる魅力

桜 和歌

山全体をピンクに染める春の名物でもある桜。

川岸に沿って続く桜並木。新一年生の真新しいランドセルに散る校庭の桜。日本人なら誰もが、自分だけの桜のシーンを持っています。

今も昔も桜の魅力は尽きません。古今の歌人が詠んだ桜の名歌を集めました。

1.まず最初に!桜と桜の和歌について

桜は日本を代表する花ですが、昔からそうだったのでしょうか。

万葉集では、4500首のうち、桜を詠んだ歌はたった40首余です。万葉人は花と言えば萩であり、梅でした。

ところが古今和歌集の時代になると桜を詠んだ歌はぐんと増え、花と言えば桜になりました。

それでは知っておきたい時代を超えて詠みつがれる桜の和歌を見ていきましょう。

2.桜を詠んだ和歌ベスト10!時代を超えて詠みつがれる魅力

桜の和歌と言えば「西行」

願わくば 花の下にて春死なむ その如月の望月の頃

西行は、桜の国の桜の名所と言われる吉野に小さな庵を結び、3年間暮らしました。桜を詠んだ歌を遺していますが、後世の歌人に多大な影響を与えました。

まさに「西行以前」「西行以降」というぐらいの差です。

桜の和歌といえば万葉集「柿本人麻呂の一首」

桜花 咲きかも散ると 見るまでに 誰れかもここに 見えて散り行く

柿本人麻呂の有名な桜の和歌です。

桜の和歌といえば古今和歌集「あまりに有名な二首」

世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

在原業平

もし、世の中に桜の花がないならば、春を過ごす人の心はどんなにのどかなことでしょう。桜の花があるから、散ることが気になり落ち着かないと反語的に桜の魅力を詠んでいます。

花の色は、うつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに

小野小町

ここでいう花はもちろん桜です。桜の花の色があせてしまったように私の容姿も衰えてしまった、あれこれ悩んでいる間に。

桜の和歌といえば新古今和歌集「定家の一首」

桜花 咲きにし日より吉野山 空もひとつにかほる白雪

藤原定家

定家がこの歌を詠んだ年の春に西行が亡くなっています。桜の歌を詠むなら、西行が愛した吉野山の桜をという思いが感じられます。

桜の和歌といえば「良寛も、秀吉も、家康も」

いざ子ども 山べにゆかむ桜見に 明日ともいはば散りもこそせめ

良寛

さあ、子どもたち、花見に行こう。明日なんて言っていたら散ってしまうよ。良寛らしい歌ですね。

乙女子が袖ふる山に 千年へて ながめにあかじ花の色香を

豊臣秀吉

咲く花を散らさじと思ふ 御吉野は心あるべき春の山風

徳川家康

秀吉と家康が吉野の千本桜を詠んだ歌です。今も昔も、桜と言えば吉野山。桜を愛する人の聖地です。

桜の和歌といえば「現代歌人も」

清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵逢ふ人みなうつくしき

与謝野晶子

清水へ行こうと祇園を急いでいると、桜も月も美しい。心が浮き立っているせいか、逢う人みんなも美しい。晶子らしい歌ですね。

さくらさくらさくら 咲き初め咲き終わり 何もなかったような公園

俵万智

桜が咲いた、桜が散ったとその時その時の感慨があるのに、今は何事もなかったように静まり返る公園があるだけ。

最後に

桜を詠んだ名歌ベスト10を選んでみました。そもそも、数ある桜を詠んだ歌の中から10首を選ぶことの無謀さが恥ずかしいです。

それにしても、万葉人から現代人にいたるまで、私たち日本人にとって、桜の花は単なる花ではなく、人生であり、恋人であり、無常ですね。

桜の季節になったら、あなたも桜の和歌を詠んでみてはいかがでしょうか。