春に可憐な花を咲かせるヒナゲシにはいくつかの呼び方、よく似ている仲間の花などもあり、混同される場合が多くあります。
今回の記事では、ヒナゲシについて説明していくと共に、花言葉についてもご紹介したいと思います。
- ヒナゲシの花言葉は、別れの悲しみや平穏
- 開花時期は3月〜5月
- キンセンカが同じ花言葉
目次
1.花言葉を知る前に!ポピーとヒナゲシの違いは?
1-1 ポピーは、どんな花?
ポピーとヒナゲシをはっきりと理解している人は少ないのではないでしょうか。
ポピーはケシ類全体を意味しますので、ヒナゲシはポピーの一種です。
1-2 ヒナゲシは、どんな花?
日本で鑑賞用に栽培されているポピーには大きく「シャーレポピー」「アイスランドポピー」「カリフォルニアポピー」の3種類があります。
「ヒナゲシ(日本語)」は「シャーレポピー(英語)」の和名です。
また、「虞美人草(中国語)」「コクリコ(フランス語)」「アマポーラ(スペイン語)」などと呼ばれることもあります。
2.ヒナゲシの開花時期や由来は?
ヒナゲシはヨーロッパ原産の1年草で、開花時期は3月から5月です。
日本に入ってきたのは江戸時代と言われています。花弁は赤や白、黄色、ピンクなどで、薄い紙のようにデリケートなものです。
従来は4弁花が多かったのですが、最近では八重の品種に人気があります。同じケシの仲間には麻薬の原料になる品種もありますが、ヒナゲシから麻薬は採取されません。
3.ヒゲナシの花言葉をかんたん紹介
ヒナゲシの花言葉はいくつかありますが、代表的なものが次の2つです
ヒナゲシの花言葉①「別れの悲しみ」
「別れの悲しみ」はギリシア神話に由来しています。全能の神ゼウスの妻デメテルは、ある日冥界の王に娘を略奪されてしまいます。
娘と別れた悲しみから眠れなくなってしまった彼女に眠りの神から贈られたのがケシの実だったのです。
また中国では三国志の英雄、項羽の寵愛を受けた虞妃(虞美人)が自害した傍らにヒナゲシが咲いたという逸話もあります。
こちらも「別れの悲しみ」に繋がる話であり、「虞美人草」という中国名の由来でもあります。イギリスの墓地では赤いポピーの造花が供えられているのをよく目にします。
また、イギリスやカナダでは戦没者慰霊の日にポピーの飾りを身に付ける人も少なくありません。
ヒナゲシの花言葉②「心の平穏・休息」
ケシ科の植物の実には鎮痛効果や眠気を催す成分が含まれていて、古代からギリシアやローマ、中東諸国で薬として活用されていました。
これらの効能が「心の平穏・休息」という花言葉につながっています。
ヒナゲシの花言葉③「その他の花言葉」
ヒナゲシには他にも「七色の恋」「乙女らしさ」という花言葉もありますが、その由来ははっきりしていないようです。
花の色で変わるヒナゲシの花言葉
ヒナゲシには花弁の色の違いによる花言葉もあります。
赤い花は「慰め」「感謝」、白い花は「忘却」「眠り」などです。
4.ヒナゲシと同じ花言葉の花はある?
ヒナゲシと同じ、または似たような花言葉をもつ花があります。
キンセンカには「別れを悲しむ」という花言葉があります。黄色いパンジーは「心の平和」、ヒガンザクラは「心の平安」です。
赤いヒナゲシと同じ「慰め」という花言葉をもつ花は多く、クリスマスローズ、スノードロップ、赤いゼラニウム、ユーカリなどが挙げられます。
同じく「感謝」の花言葉をもつ花はガーベラ、ピンクのバラ、ベルフラワー、トルコキキョウなどがあります。
グラジオラスは白いヒナゲシと同じ「忘却」の花言葉を持っています。
5.ヒナゲシの名所とは?
ヒナゲシ(シャーレポピー)を含めたポピーの名所をご紹介します。
関東近郊では、東京立川にある「昭和記念公園」で210万本、埼玉県鴻巣市の荒川河川敷で3000万本、おなじく埼玉県の秩父高原牧場で1500万本。
茨城県下妻市の小貝川ふれあい公園で200万本、神奈川県横須賀市のくりはま花の国で100万本などが挙げられます。
西日本では大阪吹田市の万博記念公園で38万本、宮崎県小林市の生駒高原で15万本などが有名です。
最後に
風に揺れる可憐なヒナゲシの花を見ていると春が訪れた喜びを感じることができます。皆さんもこの春はポピー畑に出かけてみませんか。