女性にとって、花をプレゼントされるのはほんとに胸キュンなことです。花をプレゼントされて喜ばない女性はいません。
それは、日本人にとっても、ベトナム人にとっても同じです。いや、ベトナムの女性にとっては、格別のことかもしれません。
ベトナムのきれいな花のことをまとめました。
目次
1.ベトナムの国花、蓮の花について
蓮の花は、ベトナムの国花です。花のベストシーズンは、6~7月。夏の早朝にきれいな花を咲かせます。
蓮の花は、泥水の中で育ち、泥が濃ければ濃いほど大きなきれいな花を咲かせるといわれています。そんな蓮の花は、ベトナムのシンボルであり、ベトナム人の理想だと考えられています。
ハノイ市北西にある西湖(タイ湖)周辺は、蓮の花の名所です。ポンと音を立てて早朝に咲く蓮の花を見に行きましょうか?
ベトナムでは、蓮の実の砂糖漬けが売られています。日本の甘納豆のようにホクホクして、あと引く美味しさです。
ハスがベトナムの国花に選ばれたのは、ベトナムの文化、歴史、国家遺産に欠かすことができないからです。この花は泥の池に生息していますが、その種は周囲の泥に汚されることなく、太陽の光の方向に向かって成長します。
その結果、濁った池から抜け出し、美しい花を咲かせます。そのため、この花は数千年にわたる北方支配と数百年にわたる西欧の植民地化を経験した勇敢なベトナム人を象徴しています。
2.ベトナムのテトを飾る花「桃の花と金柑の木」
テトとは、旧正月のことで、旧暦のため、毎年変わります。だいたい1月末から2月初めのころです。ベトナム人にとって一年のうちで一番大切な祝祭日です。
テトには、桃の花と金柑の木を飾ります。春の到来を告げる桃の花は、魔よけの意味があり、テトが近付くと市内のあちこちに飾られます。
テトといえば、金柑の木も大切です。金柑の木は、子孫繁栄を願い、また金柑の実の黄色がお金に似ているので金運上昇を願い飾ります。
筆者が、テトの時期にベトナムに行ったとき、金柑の木を運ぶバイクの列を見て驚きました。行きかうどのバイクにも金柑の木が括り付けられていました。
3.ベトナムの春告げ花「ホアバン」
ホアバンは、ベトナムに春到来を告げる花です。いわば、ベトナムにおける桜のようなお花です。日本語では斑入り蘇芯花(フイリソウシンカ)といいます。
ホアバンは、赤紫の斑がはいった白色の美しい花で、10㎝前後の大きな花です。樹全体を花が覆うさまは、日本の桜にも負けず劣らずの美しさです。
ベトナムの少数民族タイ族の言葉で「甘い花」という意味です。彼らは、もち米に花を混ぜて炊くそうです。食べてみたいですね。
4.ベトナムでこの花が咲くと夏休み「ホアバンラン」
花期は、5~6月で、薄紫から濃いピンクの花が、ハノイ中に咲いています。
ベトナムでは、この時期、卒業シーズンであり、もう少しで夏休みという時期です。
この花が咲くと夏休みというわくわくする花です。日本では、朝顔やタチアオイの花が咲くと、夏休みですね。
5.ベトナム(ハノイ)秋のシンボル花「ホアスゥア」
少しグリーンがかった、クリーム色の小さな花が毬のように丸く集合して咲きます。花期は、9月中旬から10月にかけてで、ハノイの秋を象徴する花です。
薫り高く、特に、夜に香り立ちます。この時期は、暑いベトナムにあって、最も過ごしやすい時期です。涼しい風に誘われて、夜、そぞろ歩いていると、どこからともなくホアスゥアの香りがします。
どこで咲いているかわからなくても、その香りで咲いていることはわかります。ベトナムの国民的音楽家チンコンソンの「ハノイの秋の思い出」の中でも、歌われています。
花が終わると鞘ができ、それがはじけるとたんぽぽの綿毛のような種ができます。これは、マラリアの特効薬キニーネの代用になるそうですよ。
最後に
それぞれの国には、その国らしいお花があります。そして、その花を誇りに思い、愛する人たちがいます。ベトナムのそんな花をまとめました。
ベトナムでは、花は社会的なコミュニケーション手段であると考えられています。お客様をお迎えしておもてなしの心を伝える「歓迎の花」、贈られた人が新しい時代を迎え、多くの幸せと祝福に包まれることを願う「誕生日プレゼント」、新婚カップルの幸せな結婚生活を願う「結婚祝い」など、人々は特別な場面で花をプレゼントするのです。
人々の暮らしと花が密接につながっています。そんな暮らしは、平和だからこそですね。世界中が平和で、きれいな花に包まれますように。