日本から遠く離れたスペインですが、2国間の交流は450年以上の歴史があり、スペイン料理やフラメンコ、ガウディの建築などでも馴染みがある国です。
今回は日本でも人気の国の、スペインの文化についてその一端をご紹介します。
スペインの文化「コミュニケーション編」
友好的で親しみやすい
スペイン人は温かくてオープンな性格で、友達や家族とのつながりを大切にしています。新しい人と出会ってもすぐに打ち解けることができます。
情熱的
スペイン人は感情を表に出すことが得意で、愛情や喜び、怒りなどの感情を率直に表現します。これは文化や芸術、スポーツにも反映されています。
社交的
スペイン人は集団で過ごすことを好み、友達や家族との食事やパーティーなどのイベントを楽しみます。また、会話を楽しみ、話題が尽きないことが多いです。
誇り高い
スペイン人は自分たちの文化や歴史、伝統を誇りに思っています。地域ごとのアイデンティティも強く、それぞれの地域の文化や言語を大切にしています。
時間にルーズ
スペインでは時間に対する考え方が緩やかで、「マニャナ(明日)」という言葉が象徴するように、焦らずリラックスして生活している人が多いです。
ラテン系の特徴をもつスペインの人は明るく情熱的です。表情豊かで楽天的ですが、感情の起伏が大きく負けず嫌いな側面もあります。
また、時間に関してもあまりきっちりしていないのですが、その分待つことが日本人ほど苦にならないようで、スーパーなどでもレジ待ちの長い行列に平然と並んでいます。
スペイン人は家族をとても大切にします。成人してからや、結婚して子供ができてからも、ことあるごとに家族一緒に過ごし、長期の休みには実家に帰るなど、自分の家族と密接な関係を保っている人が多いです。
スペイン人にとって「好き」と「愛している」はかなり次元の違うもので、付き合ってもなかなか「愛してる」とは言ってもらえないようです。
スペインの文化「言葉・宗教編」
カトリックが主流
スペインでは、大多数の人々がローマ・カトリック教徒であり、国民の約70%以上がカトリック教徒とされています。そのため、スペインの文化や祝祭、伝統にカトリックの影響が色濃く見られます。
宗教的寛容
スペインは宗教的寛容が比較的高く、他の宗教も受け入れられています。プロテスタント、イスラム教徒、ユダヤ教徒などの少数派宗教も存在しており、それぞれが信仰を自由に行える環境が整っています。
歴史的な宗教の影響
スペインの歴史には、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教が混在していた時期があります。これらの宗教はスペインの建築、文化、食文化などに影響を与えており、現在でもそれらの痕跡を見ることができます。
宗教的祝祭と伝統
スペインでは、宗教的な祝祭や伝統が盛んに行われています。セマナ・サンタ(聖週間)やクリスマス、復活祭など、カトリックの祝祭が国民に広く親しまれています。
宗教と個人の信仰
近年、スペインでは宗教の影響が弱まりつつあり、特に若い世代では無宗教者や非宗教的な価値観を持つ人々が増えています。しかし、カトリックの伝統や価値観は依然としてスペインの文化や生活に根ざしています。
スペインの公用語はもちろんスペイン語です。世界にはスペイン語を話す人も多く、他の言語を覚えなくても普段の生活に不便はないので、スペインでは観光地意外英語はあまり通じません。
宗教は97%がカトリック教徒ですが、国教にはなっていません。残りはプロテスタントやイスラム教徒です。
スペインの文化「食事編」
スペインの有名な食べ物
タパス
スペインの代表的な食文化のひとつで、小皿に盛られたさまざまな料理を楽しむスタイルです。友人や家族と一緒に複数のタパスを注文し、シェアしながら食べます。
シーフード
スペインは地中海や大西洋に面しているため、新鮮なシーフードが豊富です。特に海老、カニ、ムール貝、イカなどがよく使われます。
オリーブオイル
スペイン料理にはオリーブオイルが欠かせません。料理の基本となるソフリート(にんにくや玉ねぎを炒めたもの)にも使われ、多くの料理に風味とコクを与えています。
パエリア
スペインを代表する料理のひとつで、バレンシア地方が発祥です。サフランで色付けされた米に、シーフード、肉、野菜などを加えて炊き込む料理で、家族や友人と一緒に楽しむことが一般的です。
ハモン・イベリコ
イベリア豚の生ハムで、スペインを代表する高級食材のひとつです。独特の風味と食感があり、タパスや前菜として楽しまれます。
多くのスペイン人は1日5回の食事をするといいます。昼食がだいたい2時ごろ、夕食が21時ごろと、日本の感覚からすると遅いので、それぞれの食事の間におやつや軽食を食べるのです。
スペインでは総じて昼食や夕食はゆっくり時間をかけて食事を楽しみます。食事をする時は出されたままのものを食べ、塩やソースなどで味を足すのは失礼だととらえるようです。
日本でも有名なパエリアはスペイン全土で食べられているものではありませんが、地域で特色があるので、現地で出会ったら食べてみたいものです。生ハムや揚げ菓子のチュロスもトライしてみてください。
スペインでは前菜である小皿料理(タパス)が特徴的です。種類も豊富で店によって特徴があります。飲み物を頼むとおつまみとして2,3品付いてくることもあります。
スペインの文化「街・生活編」
午後に一旦閉まる店が少なからずあります。スペインというとシェスタ(昼寝)のイメージがありますが、必ずしも昼寝をしているわけではないようです。
飲食店の床に紙ナプキンやタパスのピックなどが散らかっていることがあります。これは美味しい店の証拠だそうです。
スーパーなどでは、会計の前に商品を開けて食べている姿を見ることもあり、驚きます。
スペイン人は宝くじが好きです。町を歩いていると宝くじ売り場をたくさんみかけることでしょう。
スペインはピカソやダリ、ガウディなど優れた芸術家を生み出した国です。町にもセンスの良い装飾や建築が見られますし、美術館なども数多くあります。
スペインの文化「交通編」
路上駐車が当たり前のように見られます。縦列駐車が多く、狭い隙間によく入れたものだと感心するような間隔で停まっている光景もよく目にします。
緑のラインは近隣住民優先、青いラインは一般用のスペースです。また、歩道に車体が飛び出して駐車していることも少なくありません。
スペインでは交差点ではなくラウンドアバウトが多いので、慣れない日本人が車を運転するのは戸惑いがあるかもしれません。高速道路は無料の区間が多くあります。
車は一般的にきれいではなく、傷や汚れに無頓着に思えます。
スペインの文化「伝統編」
日本でもよく知られている闘牛は1年中行われるものではなく、3月半ばから10月半ばまでの催しです。
場所によって開催される曜日や時期が違います。闘牛は単なる牛と人間の闘いではなく高い芸術性や技を楽しむもので、フラメンコに通ずるものがあります。
スペインのお祭りは有名な牛追い祭りなどのように、町全体を舞台とするような大規模なものが多いのが特徴です。そして、日本の感覚からするとかなり危険を伴うようなものもあるので、見物の際には注意が必要です。
最後に
以上、スペインの文化についてご紹介しました。知っているようで意外だったことも多いのではないでしょうか。
現地ではまだまだ色々な発見があることでしょう。旅行をする機会があったらよく観察してみてください。