オランダと日本の文化はどう違う?特徴や習慣、料理について

オランダ 文化

オランダというと、どのようなイメージが思い浮かびますでしょうか?

チューリップ、運河、酪農、背の高い人が多い…色々あるでしょうが、オランダの「文化」と言われると、はっきりしたイメージを持っている人は少ないのではないでしょうか。

今回の記事では、オランダの文化や特徴についていくつかご紹介します。

1.日本とは違う?オランダのコミュニケーション文化について

オランダ 文化

オランダの象徴や日常生活について

オランダの絵画や工芸品は世界的に有名で、オランダ人画家は世界でも最も偉大な画家の一人です。

オランダ人は自分たちの文化遺産に大きな誇りを持ち、政府は文化事業に対する直接的な芸術的統制を行わない一方で、芸術に対する助成に大きく関与している。このようなオランダの表現の自由の伝統が、オランダ文化の開花に大きな役割を果たしたことは間違いないでしょう。

木靴、レース帽、チューリップ、風車など、オランダのシンボルは世界中に知られているが、それらはオランダの現代生活を語る上で、ほんの一部に過ぎません。

フォレンダムやマルケンのような場所や国を挙げての祭典を除いては、伝統的な服装から他の北欧諸国と同じようなスタイルの服装に変わって久しいのです。

チューリップをはじめとする球根や塊茎は、今でも重要な輸出品であり、さまざまな祭りが行われています。

オランダ式のキス

西洋では親しくなるとハグをしたり頬を付けたりして親愛の情を表しますが、オランダ式のそれはちょっとやり方が異なります。

右、左、右と3回も頬をくっつけ合うのです。これは男性同士の間では行われず、男性同士の場合は握手かハグで挨拶します。

オランダの誕生日

オランダでは、誕生日には祝われる人が友人を招待してもてなします。

自宅でパーティーが行われることも多く、誕生日の当人が食べ物をふるまい、飲みものを注いで回ったりします。

その代わり、友人たちからはたくさんのプレゼントを受け取ることになります。

オランダ人は控えめで真面目な性格

オランダ人の性格は比較的控えめだと言われています。ですので、大きな声や大仰なジェスチャーは好まれません。

また、約束をすると必ず守らなければならないと考えるまじめな性格の人が多いので、安易な約束はしたがりません。

待ち合わせなどの約束をしたら時間厳守が基本です。

2.オランダの食文化について

オランダの代表的な料理文化

パンケーキ(pannekoeken)、バンケット(banket、アーモンドペースト入り)、オリボーレン(oliebollen、粉砂糖をまぶした揚げ菓子)、スペキュラ(speculaas、スパイスクッキー)などのペストリー、エダムやゴーダなど世界的に有名なハードチーズなど、個性豊かな料理で知られています。

オランダのジンの祖先であるイエネバーは、大麦麦芽を原料とする蒸留酒で、ジョンゲ(「若い」)とウデ(「古い」、麦芽酒の割合が多く、麦芽酒の熟成により黄色みを帯び、より強い)とに分けられます。

どちらのタイプにも、風味付けのためにジュニパー(ジェネーバ)をはじめとするさまざまな植物が含まれており、オランダ産のリコリスは、非常に塩辛く、キャンディとして人気があります。

また、オランダの農園主が植民地でインドネシアの料理を食べるために考案したインドネシアの「ライステーブル」がオランダに輸入され、大都市では定番の料理になっている。

オランダには豊かな食材

酪農が盛んなオランダでは肉類をはじめソーセージなどの加工食品、チーズをはじめとした乳製品が多くあります。

また、海にも面しているので牡蠣やニシン、ムール貝などの海産物も豊富で日本人の口に合う食材が豊富です。

オランダ料理は素材の良さを生かすシンプルな料理も多いのですが、フレンチやベルギー料理の影響を受けた料理も楽しめます。

時間をかけて食事

オランダ人は家族との時間を大切にします。食事では夕食に時間をかけて家族と語らいながらゆっくりと楽しみます。3時間ほど時間をかけるのも普通とか。

ですので、レストランで食事が運ばれてくるタイミングもゆっくりです。時間のない時は事前の店員にその旨を伝えておくと無難です。

現地で食べてみたいオランダ料理

大きな容器に山盛りで出されるムール貝料理はオランダで是非食べてみたいものの1つです。

ニシンもオランダではメジャーな食材です。生のまま塩漬けにしたニシンが屋台で売られたりしています。このニシンをパンにはさんだものもオランダならではです。

ヒュッツポットはジャガイモ、ニンジン、タマネギを茹でてつぶしたものです。ミートボールなどの肉料理を添えて食べます。苦みのあるアンディーブを混ぜ込んだスタムポットもおすすめです。

薄いパンケーキのようなパネクックもオランダらしいものです。クレープのようにフルーツやクリームを乗せるバージョンの他、ハムやチーズをトッピングして食べることもあります。

3.オランダの生活、街文化について

クリスマスが2回

オランダでは、クリスマスが2回あります。1回目は12月5日に行われるシンタクラース祭という聖ニコラスの降誕祭、2回目は通常の12月25日のキリスト降誕祭です。

アムステルダムでは11月の中旬に「聖ニコラスの到着」のパレードが行われ、それから12月下旬まで、長い期間クリスマス気分が続きます。

また、オランダでは、キリスト教の伝統的な祝日(イースター、クリスマス、聖霊降臨祭、昇天祭)に加えて、女王の日(4月30日)、記念日(5月4日)、解放記念日(5月5日)を祝うが、このうち記念日は5年おきにのみ行われます。

オランダの教育事情

オランダは教育熱心な国です。義務教育のスタートは4才、初等教育でも落第があります。

校則も厳しく、小さい頃から規律や良識を学びます。

意外なものが合法

オランダでは大麻、売春が合法です。

合法といっても勝手で自由というわけではなく、逆に合法にして規制や取り締まりを厳しくし、しっかりと管理していこうという方針なのです。

また、合法にすることにより税金も徴収できます。ちなみにオランダでは世界に先駆けて同性愛、安楽死も合法になっています。

オランダのスポーツ事情

サイクリングは通勤、レクリエーション、スポーツとして人気があり、少なくとも人口の半分が参加しています。その他にも、テニス、フィールドホッケー、アイススケートなども人気があります。

エルフステデントヒトはフリースラント州の11都市で開催されるアイススケートレースで、氷の多い冬にのみ開催される人気イベントです。

オランダ人はサッカーにも熱心で、名門アムステルダムのアヤックスなどのクラブチームやオランダ代表チームは、1970年代にヨハン・クライフやヨハン・ニースケンスらが率いた代表チームが、守備と攻撃の両方をこなす万能選手という「トータルフットボール」の概念を提唱し、国際的に大きな成功を収めています。

また、オランダは、1900年のパリ大会でオリンピックデビューを果たし、1928年にはアムステルダムで夏季大会が開催され、オランダのオリンピック選手は、自転車競技、スピードスケート、水泳でメダルを獲得しています。

4.オランダの交通文化について

オランダに行くと自転車の多さ、多様さに驚くことでしょう。アムステルダムなどでは1人1台以上の自転車を保有しているとか。列車への自転車持ち込みもよく目にする光景です。

1960年代から70年代にかけての自動車による交通事故の増加、石油危機によるガソリンの高騰などが自転車社会へのきっかけになっています。

現在では幅の広い自転車レーンの設置、自転車優先のルールなどが整備され、自転車大国オランダの名を高めています。

5.オランダのアート、芸術文化について

オランダの絵画

「ひまわり」で有名な画家のゴッホはオランダ人です。国内にはゴッホ美術館をはじめ、彼に関する美術館や施設がいくつもあります。

「光と影の魔術師」と呼ばれるレンブラント、世界的にファンの多いフェルメールなどもオランダ人の画家です。美術の好きな人にとってオランダは訪ねてみたい国の1つです。

現代アートではウサギのキャラクターのミッフィーがオランダ生まれです。ユトレヒトにはミッフィーミュージアムがあります。

レンブラントは17世紀に描かれ、光と影を巧みに操り、風景画や『夜警』のような肖像画にその技巧を発揮しました。

オランダ文学と舞台芸術

オランダの文学と演劇は、オランダ語を話す人類の割合が少ないというハンディを常に背負ってきました。オランダの文学で最も有名なのは、ルネサンス期の人文主義者エラスムスでしょう。

現代オランダの作家で国際的に知られているのは、ハリー・ミュリッシュとシーズ・ヌートブームです。オランダでは、舞台芸術が広く奨励され、支援されています。

アムステルダムの国立バレエ団とハーグのオランダ・ダンス・シアターは国際的に有名です。劇団はすべて民間財団だが、国や自治体も資金援助をしています。

オランダ音楽

オランダは、近隣諸国のような偉大な作曲家を輩出していませんが、その演奏には高い評価を得ています。

アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団は世界的に有名で、ハーグのレジデンティ管弦楽団やロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団も高い評価を得ています。

その他の町にもオーケストラや合唱団があり、オランダ国立歌劇団もあります。有名な音楽イベントとしては、ケルクラーデの世界音楽祭やロッテルダムの北海ジャズフェスティバルがあります。

最後に

以上、かいつまんでオランダの文化をご紹介しましたが、意外なものも多かったのではないでしょうか。

オランダに行く機会があれば、自分なりのオランダを感じてきてください。