郷土料理とは?歴史や由来、有名でうまい郷土料理も紹介

郷土料理

日本全国、あちこちに郷土自慢の昔ながらのお料理があります。それが郷土料理です。

小さな子供のころは、あまり好きじゃなかったかもしれませんが、年齢を重ねるごとに、好きになり、懐かしくなります。その地域のソウルフードといえるかもしれません。

今回の記事では、そもそも郷土料理とは?有名で人気が高い、おいしい郷土料理について集めてみました。

1.郷土料理とは?歴史や由来をかんたん紹介

郷土料理とは

食品の加工、貯蔵の技術が進んでいなかった昔、大量に採れたり、獲れたりしたものを無駄なく使う工夫を重ねてきました。

郷土料理とは、その土地にできる食べ物、その地方の特産物を、その地域の気候や風土にあった調理の仕方や保存の仕方を工夫してうまれた料理です。

代表的なものに、やせた土地でもできた蕎麦を使った信州そばがあります。

また、今のような輸送方法も、冷蔵、冷凍技術もなかった昔には、その地方では獲れない、できない材料を、他の地域から持ってくるためにいろいろな工夫がなされました。

そのようにしてできた料理も郷土料理といいます。代表的なものが、日本海で獲れた鯖を鯖街道を通って、海のない京都に塩を効かせて運んでできたのが鯖寿司です。

2.人気が高い!有名なうまい郷土料理とは

有名で人気の高い郷土料理「寿司系」

腐敗を防ぐために酢を効かせた寿司は、各地に特徴的なものがあります。

江戸前寿司(東京)

今では寿司といえば、新鮮なネタを使った握りずしを思い浮かべますが、東京(江戸)の郷土料理が発祥です。江戸前寿司は江戸前(東京湾)の豊富で新鮮な魚介を使った寿司です。

他には、千葉の祭り寿司、岐阜の朴葉寿司、三重・和歌山のめはり寿司、大阪のバッテラ、奈良の柿の葉寿司などが有名です。

有名で人気の高い郷土料理「なれずし系」

なれずしとは、魚を塩と米飯で乳酸発酵させた食べ物で、今も各地で作られています。

「寿司」と言っていますが、現在のにぎり寿司に代表される早ずしとは別物です。

かぶら寿司(石川)

かぶら寿司は、かぶらの間に寒ブリを挟み込み、麹で漬け込んだ金沢の冬の味覚です。富山県でも作られています。

他には、福井のへしこ、滋賀の鮒ずしが有名で、独特の風味にファンがいます。

有名で人気の高い郷土料理「漬物系」

その地方で大量に採れた野菜を、野菜の採れない冬まで持たそうと塩漬け、粕漬など工夫された漬物が各地にあります。

千枚漬(京都)

京野菜の聖護院かぶを薄く切り、塩漬け後乳酸発酵させて作りましたが、現在は、砂糖、酢、調味料で漬け込まれています。御所の料理人が慶応元年(1865年)に考案したといわれています。

他に、北海道の松前漬、長野の野沢菜漬、滋賀の日野菜漬、京都のすぐき、奈良の奈良漬がおいしいですね。

有名で人気の高い郷土料理「麺系」

全国各地にその地方独特の麺料理がありますが、今流行りのB級グルメや町おこしのためのご当地グルメは、厳密には郷土料理とは言いません。長く歴史に育まれてきたものを言います。

ほうとう(山梨)

小麦粉を練って切った太い麺とカボチャなどの野菜を一緒に煮込んだみそ味の汁です。農水省の「農山漁村の郷土料理100選」に選ばれています。

他には、群馬のおっきりこみ、愛知のきしめん・味噌煮込みうどん、香川の讃岐うどん、沖縄のソーキそばなどが有名です。

有名で人気の高い郷土料理「煮物・汁系」

おばあちゃんの家に行ったら、おばあちゃんがコトコト煮込んでくれた料理が地方ごとにありますよね。

小さな子供のころは、あまり好きじゃなかったかもしれませんが、大人になると無性に食べたくなるから不思議です。

冷汁(宮崎)

いりこ、ごま、味噌をよくすり、焼き目をつけ、そこに塩もみしたキュウリや大葉、みょうがを入れ、水で溶き、冷たいものをいただきます。単なる冷やした味噌汁とは違う味わい深い夏の味覚です。

煮物では、石川の治部煮、福岡のがめ煮、汁物では、北海道の三平汁、青森のせんべい汁・いちご汁、岩手のぬっぺ汁が有名です。

有名で人気の高い郷土料理「鍋物系」

寒い冬に、お鍋を囲むと身も心も温まります。それが郷土色豊かな鍋料理ならなおさらです。各地にお国自慢の鍋料理があります。

飛鳥鍋(奈良)

鶏ガラの出汁に牛乳をいれ、鶏肉、野菜を煮込む鍋料理です。飛鳥時代に唐から来た渡来人が伝えたとされる歴史の長い料理です。さすが奈良です!

他に、青森のきりたんぽ鍋・しょっつる鍋、福岡の水炊きなどは、知名度も全国区です。

有名で人気の高い郷土料理「スイーツ系」

それぞれの地方には、長い歴史を誇るおいしいおやつ、お菓子があります。

ずんだ餅(宮城)

すりつぶした枝豆を餡にして、餅にまぶした餅菓子です。枝豆の緑がきれいです。

他に、長野の五平餅、熊本のいきなり団子、鹿児島のかるかん、沖縄のサーターアンダギーはお土産としても人気です。

ご当地色の強い郷土料理

もんじゃ焼き

東京の下町、特に月島界隈では「もんじゃストリート」と呼ばれるほど有名で、多くの店が提供してます。

もんじゃ焼きは、お好み焼きの親戚のようなもので、鉄板の上で生地を焼くが、もんじゃ焼きの方がより液体的であり、もんじゃ焼きは、鉄板のあるテーブルで自分で作ることができるのも楽しみの一つです。

道場鍋/柳川鍋(どじょう鍋)

淡水うなぎに匹敵するスタミナ食材「どじょう」を使った「どじょう鍋」です。

特に、溶き卵を使った「柳川鍋」は、東京以外ではなかなか食べられないご当地鍋として人気です。

うなぎの蒲焼き

淡水魚の骨と皮を取り除き、醤油ベースの甘いタレを塗って焼いた「うなぎの蒲焼」。

東京や東日本では、うなぎは「蒸す」という工程を経て調理される。そのため、蒲焼のおいしさには高い評価があります。

最後に

長い間、その地方の家庭で、日常的に、あるいはハレの日のために作られてきたのが、郷土料理です。

最近では、家庭で作ることがめっきり少なくなりました。その代わり、お店や工場で作られた調理済みの郷土料理を購入することが増えています。

また、メディアが取り上げたことで、知名度が全国区になって、日本中のスーパーで手に入るようになったものもあります。

どういう形であれ、郷土料理は次の世代に伝えたいですね。