日本人にとって、桜の花に対して特別な思い入れがあるように、どの国にも、その国を代表する花、身近な花、生活に欠かせない花があります。
タイでは、どんな花がそんな花にあたるのでしょうか?タイのそんな花を考えるキーワードは、「仏教国」「南国」です。
そのキーワードに沿って、南国タイを彩る花、タイ人に欠かせない花をご紹介します。
目次
1.タイの国花について
タイの国花は二つあります。
一つは、2009年に選定された「ゴールデンシャワー」です。日本語では「ナンバンサイカチ」、タイ語で「ラーチャプルック」つまり、国王の花という意味ですが、本来の花の名前は、「ドーク・クーン」です。
タイのあちこちで見ることができます。マメ科の植物なので、50㎝ぐらいの房に小さな黄色い花が付き、樹からシャワーのように垂れ下がっています。花期は3~5月で、満開の樹は圧巻です。
もう一つの国花は、アカバナスイレンです。この花については次の項で詳しくご説明しますね。
2.タイに訪れたら見たい花「スイレン」
タイの国花の一つがアカバナスイレンです。スイレンは、漢字で書くと睡蓮で、水蓮ではありません。それは、早朝から午前中にかけて咲き、夜には花を閉じるのが、まるで「睡る」ようだからです。
敬虔な仏教国であるタイでは、蓮はとても重要です。日本の仏像も蓮の花の上に座っておられますよね。タイでは、蓮の花はあちこちで見ることができます。
また、蓮の花のつぼみが、お供え用として寺院の前などで売られています。やはり、蓮と仏教は切っても切り離せないんですね。
なかでも12~2月ごろに蓮の花の絶景がみられるのが、ウドンタニのノンハン湖の「タレーブアーデン(赤い蓮の海)です。
360°見渡す限り、赤い(ピンクの)蓮の花で水面が埋め尽くされます。早朝がベストタイミングです。
バンコクの近くの2017年オープンのレッドロータス水上マーケットでも一面の蓮を堪能できます。
3.タイ人の生活に欠かせない花とは?
タイに欠かせない花①「ラン」
タイ国際航空に乗ったことがありますでしょうか?タイ国際航空といえば、タイのナショナルフラッグキャリアです。飛行機の垂直翼に描かれているのはランの花です。
客室乗務員の制服にもランの花が飾られていたりします。客にデンファレのコサージュをくれることもあります。
タイでは、ランの花は、観賞用というよりお供えに欠かせない花です。
また、ランの花の輸出量は世界第2位。日本でもタイのランの花、あちこちで売られているのを見ますよね。
タイに欠かせない花②「ジャスミン」
ジャスミンといえば、白く薫り高い花ですが、タイでは、花を糸に通して輪にした「マーライ」として寺院や祠に供えます。
香りがよいお守りとして、あるいは商売繁盛や安全祈願のため、店やホテル、タクシーやトゥクトゥクに飾られています。いい香りがします。
信号待ちのドライバーが、売りに来たジャスミンのマーライを買っているのを見かけます。
タイに行ったら、買ってみませんでしょうか?タイの人たちのように供えたり、ホテルの部屋に飾るといい香りがして癒されますよ。
タイに欠かせない花③「ラチャフリューク」
ラチャフリューク(王樹)は、チャイヤフリューク、ゴールデンシャワー、ゴールデンレインとも呼ばれます。
道端や公園、庭など、公共・民間のさまざまな場所で見かけることができます。タイの国花であり、涼しい季節の終わりに咲き誇ります。
タイに欠かせない花④「ロータス」
重要な宗教的シンボルである蓮は、全国各地の池、川、湖、水を張った大きな骨壷などで見ることができます。特に寺院でよく見られ、仏教の花とされています。また、バラモン教の中でも重要視されています。
蓮のつぼみは、神社のお供え物として残されることが多く、水生植物で、ピンク、紫、白の花を咲かせることがあります。涼しい季節になると、ウドンタニーのタライ・ブア・デーン(紅蓮の海)で、蓮の美しさを目の当たりにできるのが特に印象的です。
しかし、蓮は単にきれいな花であり、宗教的なシンボルであるだけではありません。根はスープに、葉は食品を包むのに使われ、植物には薬効があると考えられているのです。
タイに欠かせない花⑤「オーキッド」
特にタイ北部に多く、1,000種類以上のランが生息しています。タイは東南アジアで最もランの種類が多く、世界有数のランの輸出国でもあります。
野生のランもありますが、色や大きさなど多様性に富んだランを楽しむには、タイにあるラン園に足を運ぶことをおすすめします。タイでよく見られるランの種類には、ブラッサボラ、デノブリアム、シンビジウム、モカラ、バンダなどがあります。
野生のランは通常1月と8月に開花しますが、タイでは一般的な装飾品であるため、1年を通して見ることができます。
タイに欠かせない花⑥「フランジパニ」
フランジパニもタイ原産の花で、装飾品としてよく使われます。飲み物を美しく彩ったり、マッサージ師の耳の後ろに添えたり、レストランのテーブルディスプレイの中に飾られているのを見かけます。
花の色はピンク、白、黄色などがあり、スピリチュアルな儀式に使われることもあります。もちろん、野生でも広く見かけることができます。花は強く甘い香りを放ち、香水の材料にもなります。
タイ人の中には、フランジパニの木には精霊や幽霊が宿ると信じている人もおり、昔はこの木に不運を連想する人もいたそうです。
タイに欠かせない花⑦「クラチャオ」
シャムチューリップとも呼ばれる紫色の可憐な花、クラチャオは、雨季の始まりに色鮮やかに咲き誇ります。見渡す限りの花畑を見るなら、タイ東北部のチャイヤプーム県がおすすめです。
毎年6月から8月にかけて、花祭りが開催されます。この花はチューリップという名前ですが、チューリップの親戚ではありません。ウコンと同じ仲間なのです。
タイに欠かせない花⑧「ジャスミン」
甘い香りが魅力的なジャスミンは、タイでは母の日のシンボルです。その香りとともに、花の白い色は、母と子の健全で優しい、無条件の純粋な愛を象徴していると言われています。
また、お寺のお供え物や年長者への敬意のこもった贈り物、装飾に使われることも多いようです。花びらは、タイのデザートに加えると甘い香りが広がり、お茶にも使われます。
また、花は香水やエッセンシャルオイルの原料としても利用されます。イランから中国を経由してタイにもたらされたため、タイ原産の植物ではありませんが、ジャスミンは長い間、タイに自生しています。
4.タイの恋愛成就にはバラの花を
タイでは、バラは愛情を示す花と考えられています。恋愛成就をお願いするときは、バラの花を供えます。
タイ最大の花市場パーククローン花市場は、100軒以上の花屋が狭い通路を挟んでひしめき合っています。考えられない安さです。
バラの花束を買って、恋愛成就の寺院にお供えするもよし、ホテルのバスタブに浮かべてお姫様気分を満喫するもよしですね。
最後に
外国の空港に降り立った時、その国の花の香りに包まれるってことないですか?ホノルルの空港ならブーゲンビリア、そして、タイならランの花がお出迎え!
南国ならではの花の数々があなたを出迎えてくれますよ。タイで、優雅に花遊びしてみませんでしょうか。