時代が変わっても、お正月には変わらず、おせち料理やお雑煮を家族そろって食べます。日本のお正月の原風景です。
子供のころは、自分ちで食べているお雑煮を、どこのお家でも食べていると思っていましたが、実は、お雑煮ほど地域性がはっきりしているものはありません。
ここでは、全国のお雑煮の地域による違いをまとめてみました。
目次
1.お正月にお雑煮食べた?全国のお雑煮の地域別違いまとめ
全国のお雑煮の違い①「餅の形は丸?四角?」
お雑煮の地域による違いを語る時、一番に問題になるのが、お餅の形です。お餅は、丸と四角に大別できます。
「東の角餅、西の丸餅」と言われています。角餅と丸餅の境界となるのはどのあたりかというと、だいたい関ヶ原です。
西の丸餅は一つずつ手で丸めます。円形は円満を意味します。その完全形の丸に刃物を入れるのは禁忌です。ですから、丸い鏡餅は包丁では切らず、割ります。
東の角餅は、のし餅を切ったものです。武家が多い東では、「敵をのす」に縁起を担ぎました。
全国のお雑煮の違い②「餅を煮る?焼く?」
お宅のお雑煮の餅は煮ますか?焼いたものを入れますか?
餅を煮るか焼くかも、「東は焼く、西は煮る」と大きく東西に分かれます。境界線は、石川県から滋賀県辺りで、丸餅角餅境界ラインより若干東に寄っているような感じです。
ただ、最近では、餅を煮ると煮崩れるので焼く派が、少し優勢のようです。テレビなどの影響も考えられますね。
全国のお雑煮の違い③「お雑煮の味付け方法は?」
すまし仕立てとみそ仕立てに大別できます。みそ仕立ては、さらに、白みそ派と赤みそ派に分かれます。鳥取県の海沿いの一部では、小豆汁というレアなところもあります。
すまし仕立てかみそ仕立てかは、丸餅角餅や、焼く煮るのときのようなはっきりとした線引きができませんが、今や、圧倒的にすまし仕立てが多いようです。
近畿・四国、福井県の一部がみそ仕立てです。これはさらに、近畿と、中部、四国、中国の一部が白みそ、北陸の一部が赤みそに分けられます。
小豆汁は、山陰地方独特のものです。小豆汁にお餅が入っているからぜんざいのようなものかと思いますが、実は違います。
出汁で煮込んで味付けするので、甘くないそうです。ぜひ一度、味わってみたいですね。
全国のお雑煮の違い④「お雑煮に何入れる?」
お雑煮に入れる具材で、全国でNo1人気は、なんと鶏肉なんです。小松菜などの青菜、大根、ニンジン、ネギなどが続きます。
円満に過ごせるようにという願いを込めて丸い大根を入れます。奈良では、雑煮大根といって、切らなくていい細さの大根が、年末に売られます。
里芋も多くのお雑煮に入っています。豆腐や焼き豆腐が入るところもあります。
魚介類は、その地の名産が入ることが多いです。新潟では、鮭といくら、松本では鰤、広島では牡蠣、博多では焼きあごが入ります。どれも美味しそうですね。
お雑煮文化をまとめてみると・・・
餅の形や焼くかどうかなど、それぞれ地域ごとに差がありました。それをまとめてみました。
角餅・すまし仕立て:北海道、東北、関東、中部
丸餅・赤みそ仕立て:北陸の一部
丸餅・白みそ仕立て:近畿、中部・四国・中国の一部
丸餅・すまし仕立て:中国・四国・九州・北陸の一部
丸餅・小豆汁仕立て:山陰地方の海岸沿いの一部
おおざっぱに分けると、上記のようになりますが、最近では、人の移動で、地域的特徴が混ざり合う傾向にあります。
ちなみに、筆者の家では、元旦は夫の故郷のすまし仕立て、2日は妻の故郷の丸餅みそ仕立てを作ります。
独特なお雑煮をご紹介
よくTVなどでも取り上げられていますからご存知かもしれませんが、奈良県では、丸餅・みそ仕立ての雑煮ですが、雑煮の中のお餅を取り出して、別皿のきな粉をつけて食べます。きなこ雑煮と呼ばれています。
さらに、香川県では、丸餅の中に餡が入っています。それを白みそ仕立ての雑煮に入れて食べるあんもち雑煮です。
まとめ
全国各地のお雑煮の特徴をまとめましたが、いかがでしたか?いろいものがありましたね。
小さなころから食べ慣れた郷土のお雑煮には愛着がありますが、違う地方の珍しいお雑煮も食べてみたいですね。