日本には、数々の固有種の花があるのをご存知でしょうか。日本の花といえばという質問に「桜」と答える方も多くいらっしゃると思います。
もちろん、桜は日本古来の春を感じさせる素晴らしい花です。春に待ちわびて可憐な咲く姿は、日本の風土がもたらす美しさの代表ともいえます。
記事では、その他にも知っておいてほしい日本の花を紹介しています。
1.日本の春夏秋冬を表す代表的な花とは
四季のある日本にとって、自然の山々などを彩ってくれる花はとても大切な存在です。その中でも日本固有種と思っていたものが実は、海外から入ってきたものということもあります。
逆に、日本固有のものなのに海外での品種改良が盛んなものもあります。代表的な季節の花や日本にしかない花など、いくつかご紹介します。
日本の春夏秋冬を楽しめる花「春」
日本の春の花①「菜の花」
親しみのある菜の花は、全国で咲き、菜の花畑の名所も数多く存在します。
菜の花油など、加工品も盛んに作られており、花を楽しむだけでなく活用の幅が広いのも人気のひとつです。
日本の春の花②「カタクリ」
春の植物の代表ともされるカタクリは、自然豊かな雑木の中などに自生しています。雪深い場所でも、春の訪れを知らせる花として有名です。
また、片栗粉の原料としても活躍した時期もありましたが、現在はジャガイモにその座を譲っています。
日本の春の花③「たんぽぽ」
西洋タンポポに押され気味ですが、日本に古くから自生している日本のたんぽぽは春の訪れを知らせてくれる植物のひとつです。
もしご自身の近所で、夏場もずっと咲いているたんぽぽを見かけた場合は西洋タンポポの率が高いです。日本に古くから自生しているたんぽぽは、春に咲きます。
日本の春の花④「チューリップ」
日本でのチューリップの季節は、4月下旬~5月上旬です。
美しいチューリップ畑といえば、オランダのイメージが強いですが、日本にも素晴らしいチューリップの景色を見ることができます。
富山県の砺波チューリップ公園は、200万本のチューリップが咲き誇る、日本で最も有名なチューリップの名所です。
日本の春夏秋冬を楽しめる花「夏」
日本の夏の花①「アジサイ」
海外での品種改良が盛んなアジサイは、1823年から1829年頃プラントハンターによって海外へ持ち出されました。
今現在、出回っている品種は、日本古来のものも多くありますが、外国で品種改良されたものも多く流通し人気があります。
アジサイは花の大きさから、茎部部分がしなり、花が垂れ下がってしまう傾向にありましたがその部分も改良されたものも多く出回っています。
本来の美しさを残しつつ、より楽しめるように改良されています。
日本の夏の花②「やまゆり」
自然豊かな山や、登山道、自然豊かな地域での田んぼのあぜ道で見かけることも多くあります。独特なにおいだけでなく花立ちが豪華でとても目立つ存在です。
現在は改良されたやまゆりも多く出回っていますが、その美しさに変わりはありません。
日本の夏の花③「水芭蕉」
歌でも有名な水芭蕉は、水辺に咲く高山植物です。日本各地に名所があり、咲く季節が5月頃の所や春の夏ごろの場所もあります。
夏の季語である水芭蕉は夏のイメージもありますが、実際には春ごろに咲く所が多いようです。
日本の夏の花④「サルスベリ」
名前の通り、サルも滑る木が由来とされています。昭和の時代に作られた昔ながらの公園には、植えてあると所を見かけますが、近年の公園ではあまり見かけなくなりました。
花のうつしさは、いつの時代で見ても、うつしいのは変わりありません。
日本の春夏秋冬を楽しめる花「秋」
日本の秋の花①「桔梗」
近年は品種改良により夏の彼岸時期の花として栽培されているところが多くありますが、自生している桔梗は秋ごろ咲きます。
きのこ採りをするかたなどは、雑木の中で見かけることも多くあります。
日本の秋の花②「菊」
こちらも、お供え用での流通が多い花で、年間を通して切り花で見かけることは多くあります。
少しコンパクトに作られたマムも人気が高いです。
日本の春夏秋冬を楽しめる花「冬」
日本の冬の花①「サザンカ」
椿と似ていていますが、咲く時期や花の落ち方が違います。色のバリエーションも豊かで香りも楽しむことができます。
耐寒性が弱いので寒冷地での外での越冬は難しいです。
日本の冬の花②「福寿草」
九州から北海道にかけて広く分布しています、冬と春の間に咲き春を呼んでくれる花として愛されています。
2.日本にしかない花ってあるの?
日本の花①「オダマキ」
日本固有の山野草として親しまれ、かわいらしい花姿は大変人気があります。
また、海外で改良された西洋オダマキも人気です。
日本の花②「ナデシコ」
大和撫子という言葉があるぐらい、古くから親しまれている撫子の花は草丈の大きいものから、コンパクトに改良されているものまであります。
多年草で、耐寒性も強く広い地域で愛されています。春晩秋まで繰り返し咲きます。特に、花の少ない晩秋には存在感が増します。
花壇だけでなく、寄せ植えにもアレンジしやすいです。
3.日本の花が存分に楽しめるおすすめの名所を紹介
日本にある花の名所「青森県横浜町 菜の花畑」
北の横浜として菜の花で有名な場所です。菜種油の産地として多くの菜の花が栽培されています。最盛期にどこを見ても菜の花が咲き乱れています。
イベント時期でなくても、全面菜の花を楽しめるのはお財布にもやさしい場所です。時期によっては、菜の花フェスティバルが開催されることもあるそうです。
日本にある花の名所「岩手県和賀郡 カタクリの里」
岩手県の中でも豪雪地帯の西和賀町、雪解けの季節いたるところに咲くカタクリは花の命の強さを強く感じることができます。
冬が長い東北の春の訪れを感じることができます。
日本にある花の名所「栃木県足利市 あしかがフラワーパーク」
四季折尾の花を楽しむことができますが、一番のおすすめは「藤」です。咲く時期によって、入場料が異なります。
この施設のために、最寄り駅ができるほど有名な場所になりました。
日本にある花の名所「静岡県袋井市 可睡ゆりの園」
3万坪の土地に日本の品種から世界の品種まで150種あまりのゆりが咲き乱れます。花が元々豪華ですが、たくさん咲く姿は一度見たら忘れられません。
日本にある花の名所「富良野市フラワーフィールド」
富良野の花畑は、5月から10月にかけて様々な花を楽しむことができますが、中でもラベンダーは有名で、毎年夏の満開の時期には多くの人が訪れています。
日本にある花の名所「たんばらフラワーパーク」
たんばらフラワーパークは群馬県にある公園です。
丹原高原には5万本以上のラベンダーが植えられ、夏には壮大なラベンダーフラワーパークとなります。冬はスキー場として利用されています。
また、同じ群馬県にぐんまフラワーパークがあり、チューリップや花菖蒲、バラなど、四季折々の花が咲き誇るフラワーパークです。
日本にある花の名所「ひたち海浜公園」
水戸市郊外にある広大な公園には、一年中大きな花畑が広がっている。特に4月下旬から5月中旬のネモフィラ、10月上旬から中旬の赤いコキアなどが有名です。
最後に
まだまだ、紹介しきれないほど日本固有の花や名所はたくさんあります。中には外来種の繁殖力に負け、実際の自生場所で姿を消してしまった植物もあります。
品種改良も良いですが、日本本来の風土で自生してきた、日本固有種のうつくしさの再確認も大変おすすめです。