アオザイはベトナムの民族服で、特に女性のアオザイは世界的にも有名かつ人気があります。
「アオザイ」はベトナムの北部の発音で、南部では「アオヤイ」と呼ばれます。
今回の記事ではアオザイについてご紹介します。
目次
1.ベトナム伝統の民族衣装アオザイとは
1-1.ベトナムの民族衣装アオザイの意味
アオザイのアオ(Áo)は「上着」を意味し、ザイ(dài)は「長い」を意味します。
つまりアオザイは「長い上着」という意味です。
1-2.ベトナムの民族衣装アオザイのデザイン
女性用のアオザイは上衣と下衣の組み合わせです。
上衣はチャイナカラー(縦襟)で丈は足首にかかるほど長くなっています。
身体にぴったりとした細身に作られていて、腰までの深いスリットが左右両方の側面に入れられています。
そのため丈が長くても歩行への支障は少なくなっています。
下衣は長ズボンで、直線的なシルエットをもっています。
かつてこのズボンの色は未婚女性が白、既婚女性は黒が一般的でしたが、現在ではさまざまな色のバリエーションがあります。
1-3.ベトナムの民族衣装アオザイの素材
ベトナムの気候は高温多湿なので、裏地は着けずに仕立てられます。
上下とも生地は薄く、上衣は多くが木綿製、下衣は木綿のほか、絹や合繊繊維が用いられることもあります。
1-4.ベトナムの民族衣装アオザイはオーダーメイドが基本
アオザイは身体にぴったりに縫製されるため、1人1人に合わせたオーダーメイドが基本になります。
太ると着られなくなるので、ベトナム人女性は体型を保つという意識が高いと言われています。
1-5.ベトナムの民族衣装アオザイ男性用
アオザイというと女性の衣装というイメージですが、男性用のアオザイもあります。
デザインは女性用と同様に丈の長い上位に長ズボンですが、女性用よりもゆったりと動きやすく作られています。
男性が日常でアオザイを着ることはほとんどなく、結婚式の時に新郎が着用する、伝統音楽の演奏者が着用するなどの限られた場面で見られるにとどまります。
2.ベトナムとアオザイの歴史について
2-1.ベトナムで誕生したアオザイの起源
ベトナムの民族衣装であるアオザイですが、意外にもその歴史はさほど長いものではないようです。
18世紀に清朝(中国)から入ってきたチャイナドレスがその起源といわれているので、200年ほどの歴史ということになります。
ただ、紀元前に現在のベトナム北部で、現在のアオザイと同様の前垂れ付いている衣服が着用されていたことが分かっています。
これをアオザイの起源とする説もあります。
2-2.変化するアオザイのデザイン
当初アオザイは、体を動かしやすいようにゆったりとした作りでした。
上衣の長さも時代によってさまざまに変化しました。
西洋的な立体裁断を取り入れた今のようなスタイルになったのは、1930年代のフランス統治下時代だと言われています
革新的過ぎて当初は批判されたものの、その後すっかり定着しました。
2-3.現代のベトナムでのアオザイとは
前述のように、男性のアオザイを日常で見かけることはほとんどありませんが、
女性のアオザイは学校の制服やホテルや航空会社のユニフォームとして着用されています。
しかし日本の着物同様、活動的とはいえない服なので、日常生活でアオザイを着用している人は女性でもほとんどいなくなってしまいました。
3.アオザイを着てベトナム観光を楽しむには?
3-1.ベトナムでアオザイを購入しよう
アオザイはベトナムを訪れる観光客に人気があり、買い求める人も少なくありません。
旅行者のために短期間でオーダーメイドで作ってくれる店が大きな都市にはたくさんあります。
採寸、仮縫い、受け取りなど何度か店を訪ねなければなりませんが、2、3日で仕上げてくれるところが多いです。
3-2.ベトナムでアオザイをレンタルしよう
1度で良いからアオザイを着たいという人には貸衣装や写真撮影のサービスの利用がおすすめです。
こちらは男性用や子供用のアオザイも揃っているので、家族でアオザイを着て記念写真を撮るのも旅の良い思い出になります。
まとめ
以上、ベトナムの民族衣装であるアオザイについてご紹介しました。
アオザイに触れる機会があったら、この記事を思い出して下さればうれしいです。