シンガポールの文化を紹介!様々な民族や宗教が共存する文化とは

シンガポール

世界的な金融センターであるシンガポールは、ものすごい勢いで経済発展しているマレーシアの南に位置する国です。

国土は小さいですが、様々な民族や宗教が共存していて文化も多様です。

今回の記事ではシンガポールの多様な文化について簡単に紹介します。

1.シンガポールの規則・産業・街の文化について

1-1.シンガポールの規則、法律

シンガポールは罰金を取るのが大好きな都市として有名です。好きなところでガムを噛んだり、タバコを吸ったりしてはいけないのです。

また、ゴミのポイ捨ても罰金になるので、ゴミ箱にゴミを捨てないようにしましょう

シンガポールでは規則が厳しい上に取り締まりも厳格に行われます。

・ガムの持ち込み:10000ドル(80万円)

・未申告でのタバコの持ち込み:最高5000ドル(40万円)

・地下鉄内での飲食や禁止事項:飲食500ドル(4万円)、喫煙1000ドル(8万円)

・横断歩道・歩道橋を利用せずに、50m以内での斜め横断:50ドル(4千円)

・鳥へのエサやり:最高1000ドル(8万円)

・公衆トイレで水を流さない場合:最高1000ドル(8万円)

・ポイ捨て:初犯は最高1000ドル(8万円)

・喫煙場所以外での喫煙:最高1000ドル(8万円)

・バケツなどを放置して蚊が発生する環境を作る:最高10000ドル(80万円)

など上記以外にも多種多様な罰則がたくさんあります。旅行前には必ずチェックしましょう。

1-2.シンガポールの住宅環境

淡路島と同じ広さに500万人以上が暮らすシンガポールでは、住宅のほとんどは国民を対象とする公団住宅「HDB」です。

シンガポール人は基本的に住宅兼店舗のショップハウスに住んでいるか、人口の8割が住むHDBに住んでいます。

高層ビルが立ち並ぶイメージが強いシンガポールですが、実際は結構緑が生い茂っています。

都市計画で人工的に植えられた植物ですが、自然と大都市が融合しているので、健康的な生活を送れます。

1-3.シンガポールの教育

シンガポールは徹底した能力主義です。幼稚園から本格的な学習を行い、塾通いは当たり前です。

イギリスの教育をモデルとしているため、試験結果を重視し、学校共通テストの成績においてランク付けされています。

小学校6年生で受ける「PSLE」というテストの成績で普通の中学校に進学して大学を目指すか、技術系の学校に行くかが決定します。

大学は公立・私立合わせて国内に8つありますが、進学率は26%程と低めです。

資源の乏しい都市国家にとって、教育は市民の将来を左右する重要な要素となっています。シンガポール人は学ぶことを非常に重要視しており、親は子供が最高の学校に入れるように、かなり早い段階から補習クラスに子供を送り込んでいます。

世界一物価の高い都市でありながら、激しい競争を強いられる環境ですから、教育不足が足かせになるという考え方が、文化的に強い影響力を持っているのも不思議ではありません。

1-4.シンガポールの産業

経済成長が著しいシンガポールですが、国土が狭いため農業、林業、漁業などの発達が望めません。

食料自給率は1割未満といわれ、食料品のほとんどは、中国、香港、マレーシアなどからの輸入に頼っています。

主要産業は製造業、商業、運輸・通信業などで、IT製品、医薬品・化学品などを諸外国に輸出しています。

2.シンガポールのコミュニケーション文化

2-1.シングリッシュ

シングリッシュとはシンガポール人が使う英語のことです。

中国語、マレー語、タミール語の影響を受けているためアクセントや語尾が特徴的な英語で、聞き取れないことも多いです。

単語自体もマレー語や中国語が語源のものがあり、独特の形で英語が使われています。

語尾に「〜lah(ラー)」をつけるためアメリカ人やイギリス人の英語しか聞いていないと、少し戸惑います。

イギリスの植民地支配の遺産として、現地のクレオール語であるシングリッシュが生まれました。

歴史的に英語より劣っているとされてきましたが、現在ではシンガポールのユニークな遺産の一部と見なされるようになっています。

2-2.英語と母国語

シンガポールでは英語が使われていると思っている方が多いですが、それはあくまで公用語です。

プライベートではそれぞれの民族で中国語、マレー語、タミール語などが話されています。

中国語などはさらに細かく分かれ、福建語、広東語などのいわば方言も多いので、中国語の中にも共通語があります。

シンガポールではたくさんの言語を操れる人もたくさんいます。

2-3.損得に敏感

シンガポール人に持ち物の値段を聞かれることが多々あります。

「安く買った場合は密かに優越感、逆の場合は悔しい思いに浸る」という感覚を持っていて、損得に敏感です。

2-4.知ったかぶりをする

例えば、シンガポール人に道を尋ねると「聞いたことはあけど…あっち方角だっけかな?」と実際は全く知らないことも曖昧に答えることが多いです。

「人より劣る」を嫌うシンガポール人の国民性が故に、知ったかぶりをすることがあります。

2-5.サービス精神旺盛

3つ買うと1つおまけ、商品に小さい付録がついている、などサービス精神が旺盛です。

市場や百貨店で、店員に「あと1つ買うとおまけをつけるよ」などと声をかけられることもあります。

値切り交渉にも比較的応じてくれます。

3.シンガポールの食文化

3-1.シンガポール料理

シンガポールは、中国系、マレー系、インド系を中心とした多民族国家で、それに伴い、料理も多様です。

さまざまな民族やグループが混ざり合うことで、誰もが舌鼓を打つような融合やユニークな料理が生み出されているのです。

シンガポールといえばチキンライス、ロティプラタ、ナシレマなどが有名ですが、地元ではドリアンも大人気。

ドリアンの季節になると、刺激的な悪臭に鼻をくすぐられるかもしれません。手軽なローカルフードの入門編として、近くのホーカーセンターに行って、いろいろな種類のものを食べてみてください。

また、周りを海に囲まれているのでシーフードが多く「ニョニャ料理」という伝統的な料理も存在します。

南国なので発汗作用を促すスパイスや唐辛子を使った料理が多くみられることが特徴です。

3-2.食べることは良いこと

シンガポールではたくさん食べることは良いこととされています。

朝昼晩の3食の他にティータイムや夜食など、回数を多く食べるのです。

一回の食事量は多くないものの、食事の時間も日本に比べると不規則です。

3-3.基本的に外食

共働きが当たり前であるシンガポールでは自炊など手間がかかることは非効率的と考えられています。

よって、家で食べることはあまりありません。

外食文化が発展していてどの商業施設にもフードコートがあり、安価で手軽に食べられます。

また、街中の至る所にホーカーズという集合屋台があるため、外で食べることもできます。

3-4.食事のマナー

観光客が気を付けたい食事のマナーは下記の通りです。

・お箸とフォークは右手、蓮華とスプーンは左手で持つ

・食器は持ち上げずない

・麺類やスープを食べるときは音を出さない

・年上の方との食事では席順等に気を付け、年上の方が手をつけてから食べ始める

・食事中の喫煙は禁止

・レディファーストを心がける

特に気をつけたいのは麺類やスープを食べる時。ズルズルとすすらないように気をつけましょう。

3-5.お酒事情

輸入の酒類には高い関税がかけられるので、シンガポールでの飲酒は割高です。

また、酒類は22:30から7:00まで販売禁止、飲酒禁止で、違反すると罰金または禁錮刑になるという厳しい規則があります。

そんなシンガポールですが、バーやクラブなどでは夕方前の午後の時間帯でハッピーアワーを開催しているお店が多く、アルコール類を安く飲むことができます。

クラブは夜遅くまで営業しているので、夜遊び好きやパーティー好きにはたまりません。ボートキーやクラークキーなどの中心地には、バーが点在しています。

3-6.ベジタリアンの受け入れ

多民族国家で沢山の宗教が混在しているシンガポールでは、ベジタリアン専用のレストランやお店も多く、フードコートやホーカーズでもベジタリアン専用のメニューが豊富に用意されています。

4.シンガポールの交通事情と文化

4-1.車への規制

規則が厳しいシンガポールでは、政府が渋滞緩和のために車の保有を制限しています。

国内で自動車を生産していないため「自動車=輸入車」となり、車両価格には輸送費が上乗せされるため、日本で自動車を買うときの3~4倍の費用が必要です。

マイカーを所有も諸費用がかかり維持にも多額のお金がかかります。

4-2.公共交通機関

車への規制が厳しい代わりに、電車、バス、タクシーなどの運賃は格安です。

公共交通機関が格安ということも相まって、自転車で通勤、通学する人もほとんど見かけません。

タクシーも初乗り300円という手ごろな価格で、空港から中止地までの移動も2000円前後で収まります。

4-3.地下鉄

前述したとおり、地下鉄車内での禁止事項がたくさんあります。

喫煙や可燃液体の持込禁止の他、ペットやドリアンの持ち込みも禁止です。

暑いからと言って地下鉄内で水分補給をすると罰則!なんてこともありますので注意しましょう。

5.シンガポールの伝統文化、プラナカン文化

プラナカンとは15世紀にインドや中国南部、オランダなどからマレーシアのマラッカに移り住んだ移民の中で、もともと住んでいたマレー系と結びついた移民やその子孫のことを示します。

5-1.プラナカン文化の概要

中国とヨーロッパを融合させた文化で、西洋を思わせる色鮮やかなショップハウスの店頭には中国語表記の商品やポップが掲げられるなど、独特な融合が魅力的です。

プラナカン文化では、男性は「ババ」女性は「ニョニャ」と呼び、「ババ・ニョニャ文化」とも呼ばれています。

シンガポールでは、「ニョニャハウス」と呼ばれる独特の建築物、高価な調度品、雑貨、など街中でプラナカン文化に関する物を目にします。

5-2.プラナカン文化を深堀しよう

「プラナカン文化を知りたい!」という方はプラナカン博物館がおすすめです。

伝統家具や伝統衣装を見ながらプラナカンの歴史、生活習慣などを知ることができ、日本語ツアーもあります。

まとめ

日本からの旅行者も多いシンガポール。

この記事に書いたことは旅行前に最低限押さえておきたい文化をまとめました。

ぜひ参考にしてみてください。