日本書紀や日本霊異記で語られている、面白い歴史エピソード5選

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「日本書紀」「日本霊異記(にほんりょういき)」といえば、なんだか難しそう・・・と思うかもしれませんが、実は、「ヘーッ?!」「うそーっ!」という面白いお話の宝庫です。

そんな中から、知的刺激に満ちた選りすぐりのおもしろエピソードを集めました。お楽しみください。

「日本書紀」「日本霊異記」が語る、面白い歴史エピソード5選

面白い歴史の話①「戦いに苦戦するたびに、天からの助けが?!日本を建国した神武天皇」

神武天皇といえば、日本の初代天皇です。日本全土を治めるため、日向から大和への遠征、神武東征(じんむとうせい)を始めます。安芸や吉備で東征のための準備をし、いよいよ畿内に入ります。

しかし、数々の試練や戦が待ち受けています。苦戦を強いられますが、その都度、八咫烏(やたがらす)や金鵄(金のトビ)、天からの霊剣の力を得て、ついに日本の統一に成功します。

そのことは、「古事記」や「日本書紀」に詳しく書かれています。読み物として、「古事記」「日本書紀」はとっても面白いですよ。コミック版なども出ていますから、ぜひどうぞ!

面白い歴史の話②「雷を二度捕まえたのは、雄略天皇の従者、少子部の栖軽(ちいさこべのすがる)」

日本霊異記は、奈良時代末期~平安時代初期に成立した日本最古の説話集で、約120の説話が載っています。その巻頭を飾るのが、「電(いかづち)を捉えし縁」の話。

少子部の栖軽は、雄略天皇に使える従者でした。雄略天皇が后と一緒にお寝みなっておられるときに、栖軽は、それと知らず御殿に入ってしまいました。

恥ずかしく思った天皇は、そのまま事をやめてしまい、照れ隠しに「雷を捕らえられるか?」と命令しました。探しに行った栖軽は、落ちてきた雷を宮殿に運びました。光り輝く雷を見た天皇は、雷に供物をささげて帰しました。

その後、栖軽は亡くなりましたが、天皇は栖軽の忠心をしのび墓を建てさせました。その墓を見た雷は、栖軽を恨んでいたので、墓に落ち、墓を切り裂きましたが、その裂けめに挟まれてまたもや捕まってしまいました。

少子部の栖軽は、生きている間と死んでからの二度、雷を捕まえました。その墓がある場所は、雷の丘として今も、奈良県明日香村にあります。

面白い歴史の話③「怒れる中国からの外交返書を捨てた?!遣隋使の小野妹子は忖度の人?」

小野妹子(おののいもこ)といえば、中学の歴史でも習うので、みなさん、ご存知でしょう?「日本書紀」によれば、小野妹子は、推古天皇によって隋に派遣されます。

その時、聖徳太子がしたため、小野妹子によって隋にもたらされたのは、「日出処天子至書日没処天子無恙云々」(日出るところの天子、日の沈む国の天子に手紙を書く)という有名な手紙です。

この手紙を受け取った隋の煬帝は「天子は我以外にいない」と激怒しました。怒れる煬帝の返書を持って帰国の途に就いた小野妹子は、その返書を途中、百済で失くしてしまいます。

結果、帰国後、小野妹子は島送りにされます(後に恩赦)が、手紙をわざと失くしたのではないかともいわれています。実は、手紙の内容を忖度(そんたく)したということではとも言われています。この時代にも忖度があったんですね。

面白い歴史の話④「欲しいものは手に入れる!織田信長がやりそうなこと!」

正倉院御物のなかに蘭奢待(らんじゃたい)と名付けられた、東南アジア原産の香木、黄熟香(おうじゅくこう)があります。正倉院のものはとても大きなものですが、3か所切り取った跡があります。足利義政と明治天皇、そして織田信長が切り取ったといわれています。

今でこそ、年1回「正倉院展」として正倉院御物が公開されますが、1000余年の間に正倉院御物を見たのは6人しかいないと記録されています。そんな御物を切り取ったとは、怖れを知らない所業というか、さすが織田信長ですね。

面白い歴史の話⑤「差し出すぐらいなら、抱いて死ぬ!爆死を選んだ男、松永久秀」

戦国武将松永久秀、別名松永弾正(まつながだんじょう)は、下克上で、血を血で洗う戦国時代にあっても、怖れを知らない所業の数々をつくしたとされているヒールです。しかし、実際は、連歌や茶道を愛した教養人でもありました。

そんな松永久秀は、二度織田信長を裏切っています。一度目は許されますが、二度目は信長から「古天明平蜘蛛(こてんみょうひらぐも)」という茶釜を差し出せば許すと言われます。

茶釜コレクターの久秀は、平蜘蛛を差し出すぐらいなら、茶釜もろとも死ぬことを選びました。茶釜に火薬を詰め、それに火をつけ爆死したといわれています。日本人初の爆死です。

最後に

いかがでしたか?歴史の中のおもしろく、興味をひくエピソードの中から、厳選したものを選びました。この話に興味を持たれて、原典を読んでみようかなと思われたら、望外の幸せです。