日本と同じく島国で美しい自然をもつニュージーランドは、観光のみならず経済や教育などの分野でも日本と強いつながりのある国です。
しかし、その文化や習慣についてはあまり知られているとは言えないようです。今回はニュージーランドの文化についてご紹介します。
目次
1.ニュージーランドという国にある「マオリ文化」
そもそもマオリ文化とは?
ニュージーランドはトータルでみると白人文化の国です。人口比率でも74%が欧州系の白人です。しかしながら、人口比では約15%のマオリの文化がニュージーランド文化を大きく特徴づけています。
マオリ族はポリネシア系の民族で、17世紀にオランダ人がニュージーランドにやって来るはるか以前からこの地に住んでいました。
先住民の文化は迫害や保護意識の薄さなどから廃れてしまうことも多いのですが、ニュージーランドにおいてマオリの文化は、しっかりと保護尊重され、現代的白人文化と共存していると言えるでしょう。
カパ・ハカ(伝統芸能)
マオリ文化の中で有名なのがカパ・ハカです。意味は「一列に並んで踊る」で、単に「ハカ」と呼ばれることもあります。元来は戦闘前の戦意高揚と敵への威嚇のために行われたものです。
ラグビーのニュージーランド代表チームのオールブラックスが試合前に行う勇壮なハカが有名ですが、現代では親交を深めるため、楽しむためのハカもあり、優雅なダンス、優しい合唱を伴ったものも見られます。
タ・モコ(入れ墨)
タ・モコはマオリの入れ墨のことで、顔をはじめとして体の数か所に施されます。
ファッションで行うタトゥーとは一線を画し、模様には祖先の歴史や自分は何者なのか、何を目指しているのか、というアイデンティティーそのものが記されています。
タ・モコは、その昔はその人物の地位や婚姻の資格、身に付けている知識や技能までも表していたそうです。
マオリのあいさつ
マオリの人々はホンギと呼ばれるあいさつを交わします。
これは互いに鼻とおでこをくっつけて深呼吸するものですが、「命の息を共有する」「魂が交わらせる」という深い意味合いがあります。
2.ニュージーランドの食文化について
特色
ニュージーランドは英連邦の1つで、食文化も色濃くイギリスの影響を受けています。
あまり食にこだわないイギリスの伝統を受け継ぎ、特にこれといえるようなニュージーランド料理は発達しませんでした。
現地で食べてみたい料理
それでも、現地に行ったら食べてみたい料理がいくつかあります。1つはマオリ伝統のハンギ料理です。
地面に掘った穴の底に敷いた石を加熱して野菜や肉、魚などを蒸し焼きにする調理法ですが、この料理を提供するレストランは少なく、食べるのはなかなかハードルが高い料理です。
もう1つはパブロバというスイーツです。パブロバはメレンゲのケーキにクリームや果物を乗せたお菓子ですが、カフェなどで食べられるほか、スーパーなどでメレンゲケーキの部分だけが売っていたりします。
甘みが強く、あまり日本人の口には合わないかもしれませんが、ニュージーランドではメジャーなものなので、試してみる価値はあります。
その他、羊肉の料理、イギリス料理にあげられるフィッシュアンドチップスなどもおすすめです。
また、オーガニック食品の店、グルテンフリーやベジタリアンの店も多いので、興味のある人は探してみると良いでしょう。
3.ニュージーランドの交通文化について
ラウンドアバウト
ニュージーランドは日本と同じく車は左側通行で走っていますので、歩行の際や自分で車を運転する際の戸惑いは少ないでしょう。
ただ、日本と違ってラウンドアバウトの交差点が少なくないので注意が必要です。
バスのアナウンス
日本のバスのように次の停留所が画面に表示されたりアナウンスされたりするバスもありますが、そうでないバスもたくさんあります。
どこで降りてよいかわからない場合は、事前に運転手に知らせてくれるよう頼む、地図アプリなどで位置を確認しながら乗るなどの自衛手段が必要です。
4.ニュージーランドの生活文化、街文化について
娯楽が少ない
ニュージーランドでは大きな都市であっても、ゲーセンやカラオケ、映画館といった都会的な娯楽は多くありません。ショッピングが楽しめる店も日本と比べると随分少なく感じます。
ニュージーランドの人たちは、都会的な刺激よりはスポーツをしたりピクニックに出かけたりといった活動を好むのかもしれません。
キーウィーはニュージーランドの象徴
キーウィー(kiwi)はニュージーランドに生息するユニークな鳥ですが、kiwiという言葉がニュージーランド全体を表すことがよくあります。
ニュージーランド的な時間の感覚をキーウィータイムと言う、スポーツのニュージーランド代表はキーウィーズと呼ばれる、などです。
家事に協力的な夫をキーウィーハズバンドと言うこともありますが、これは鳥のキーウィーが巣づくりや子育てをすることからきた言葉です。
最後に
以上、かいつまんでニュージーランドの文化をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
なるほどと感じると共に意外なことも多かったのではないでしょうか。
現地に行く機会があれば、是非身をもって体験し感じてきてほしいと思います。