中東のトルコはアジアとヨーロッパにまたがる国です。世界で最も親日的な国の1つと言われていますが、地理的に遠いこともあり、よく知られていない面が多くあります。
今回の記事ではそんなトルコの文化をご紹介します。
目次
1.親日国トルコの文化が知りたい!料理やマナー、街文化まで
トルコの文化「宗教編」
トルコでは90%以上の人がイスラム教徒ですが、政治と宗教はしっかりと分離されています。
トルコのイスラム教は全体として戒律が緩く、飲酒も禁止されていませんし、外国人に対する服装の規制もモスクなど宗教的な場所を除いてありません。
トルコ人の普段の服装もカジュアルな西洋スタイルです。
トルコの文化「コミュニケーション編」
トルコ人は人を手厚くもてなす国民性を持っています。
客人を招く時は食べきれないほどの食事を用意し、言葉が通じなくても何とかコミュニケーションを取ろうと努力してくれる人も少なくありません。
人とのつながりを密に保とうとする傾向も強く、フェイスブックのユーザー数はトルコが世界一とも言われています。
イスラムの教えにより男女交際に倫理意識が高いため、特にトルコの女性はシャイに感じられます。
トルコの文化「料理・食事編」
トルコ料理の概要
8つの国と国境を接するトルコの料理は、地中海や黒海の周辺諸国の料理の影響を受けています。
また、シルクロード経由でもたらされた豊かな調理法や食材、香辛料などを使った料理が発展し、中華料理、フランス料理と並んで世界3大料理の1つとまで言われるようになりました。
トルコ料理はマイルドであまりスパイシーでないものが多く、概して日本人の口には合うと言ってよいでしょう。
トルコ料理の特徴と代表的な料理
ヨーグルトや豆類を多用すること、イスラム教徒が多いので豚肉はほとんど使われないことが特徴です。ナッツ類や果物も料理によく使われます。
代表的なトルコ料理としてはピーマンの肉詰め、エズメ(野菜や豆のペースト)、肉や魚のケバブ、デザートのバクラヴァなどが挙げられます。米料理も一般的で、味をつけて炊くピラフは種類も多くどれも美味です。
トルココーヒー(ターキッシュコーヒー)は、コーヒー粉と砂糖を小さな容器に入れて煮出す濃いもので、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。
トルコではコーヒーと共に紅茶も日常よく飲まれます。
トルコの食事マナー
トルコ人が会食する時は、年長者が食べ始めてから皆が食べはじめます。
食事はスプーンやフォークで食べるので外国人でも戸惑うことは少ないでしょうが、ナイフの手渡しは決闘の合図とされ、マナー違反になります。
トルコの文化「生活・街文化編」
邪悪な目
トルコの町では至る所に青いガラスに目玉を模した飾りを見ることができます。お土産店にもストラップなどになってたくさん並んでいます。この目玉はナザール・ボンジュウと呼ばれています。
トルコでは悪意をもった人間から発せられる邪視が人に災いをもたらすと信じられており、ナザール・ボンジュウはその邪視を跳ね返すものなのです。
お釣りがいい加減
買い物をした時、ぴったりとお釣りをもらえないことがあります。少ない場合も多い場合もあります。
売る側の都合で用意できるだけのものを渡せばよいと考えているようです。
靴を脱ぐ習慣
トルコでは日本のように、家の中に入る時は靴を脱ぐ習慣があります。下駄箱のようなものはなく、室内または室外に靴を並べておきます。
公衆浴場
オスマントルコの時代から続くハマム(公衆浴場)は、日本で言えば岩盤浴に近いものです。
温かい大理石の上に横たわり、汗をかきながら垢すりをしてもらうハマムは外国人にも人気の体験です。歴史的な建造物のハマムも多く、建築鑑賞も楽しみです。
スポーツ
トルコで最も人気のあるスポーツはサッカーで、ガラタサライ、フェネルバフ ェ、ベシクタシュ、トラブゾンスポルなどのトップチームです。
2000年、ガラタサライはUEFAカップとUEFAスーパーカップを制し、ヨーロッパの主要クラブとしての地位を固めました。その2年後、トルコ代表チームは2002年日韓ワールドカップ決勝で3位に入ります。
トルコの伝統的な国技は、オスマントルコ時代から続くヤ・ギュレシュ(オイルレスリング)です。
また、フリースタイルレスリングやグレコローマンレスリングなど、FILAが管理する国際的なレスリングも盛んで、トルコ人レスラーが個人およびナショナルチームとして、ヨーロッパ、世界、オリンピックで多くのタイトルを獲得しています。
トルコの文化「交通編」
トルコの運転マナー
日本人からするとトルコ人の運転マナーは良くないと感じるでしょう。割込みや車線を守らない、青になる前に発進する、すぐにクラクションを鳴らすなどです。
また、歩行者も勝手に道路を横断したりします。
トルコの交通渋滞
トルコ最大の都市イスタンブールはヨーロッパ側とアジア側を結ぶ橋が2本しかなく、慢性的に渋滞が起こっています。
渋滞を緩和すべく、地下鉄や鉄道の増設が進んでいます。イスタンブールを離れれば、都市感を結ぶ道路や地方都市ではさほどの渋滞はないようです。
珍しい乗り物
「ドルムシュ」は8人乗りくらいの大きさのバンを使った乗り合いタクシーです。路線が決まっていて、路線内なら自由に乗り降りできます。
バスよりは割高ですが、タクシーよりは安く、路線が充実しているので慣れればとても便利です。
トルコの文化「伝統編」
建築
トルコの建築物は、数世紀にわたってこの地域に影響を及ぼしてきた様々な伝統が混在していることを物語っています。
トルコの多くの地域に見られる伝統的なビザンチン様式の要素に加え、オスマン帝国時代の建築物も、オスマン帝国の旧領地と同様に、国中に数多く存在しており、地元の伝統とイスラムの伝統を絶妙に融合させたものになっています。
18世紀以降、トルコの建築は西洋の影響を受けるようになり、特にイスタンブールではブルーモスクやドルマバフチェ宮殿などの建造物と、近代的な高層ビル群が共存し、それぞれの伝統的な建築様式を表現しています。
芸術
音楽ではクラリネット、シンバル、ベルなどを使った軍隊音楽が有名です。
踊りでは黒海地方のホロン、スプーンを鳴らすのが特徴のカシュク・オユヌなど、民族舞踏の流れを汲むものがたくさんあります。
男性がスカートのような衣装で回転するセマーという舞踏も有名です。
工芸
緻密なつくりのトルコ絨毯、アラビア文字のカリグラフィー、カラフルなタイルや焼き物など、お土産にもしたい伝統工芸品がたくさんあります。
最後に
以上、トルコの文化についてかいつまんでご紹介しました。
この記事がトルコという国を知るきっかけになれば幸いです。