株の寄り付きってどういう意味?買い方や仕組みを簡単紹介

株の寄り付きって言葉は聞いたことがあるけれど、いったいどういう意味?と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事では、株の寄り付きとは何か、買い方や売り方、仕組みなどをわかりやすく紹介します。ぜひ参考にしてください。

株の寄り付き知識まとめ
  1. 始値(オープン): 寄り付き時点での株価。その日の最初の取引が成立した価格です。
  2. 前場・後場: 日本の株式市場では、午前9時から午前11時30分までが前場、午後12時30分から午後3時までが後場となっています。それぞれの時間帯で寄り付きがあります。
  3. 板情報: 寄り付き前に注文が集まると、売りと買いの注文が板情報として表示されます。これを見ることで、寄り付き時の需給バランスが把握できます。
  4. 寄り付きオークション(イッテツケ): 取引開始前に、買い注文と売り注文を集めて、最も多くの取引が成立する価格を計算し、その価格で寄り付きが行われる方式です。これにより、市場の需給バランスが整った形で取引が始まります。
  5. 前日終値との関係: 前日終値と比較して、寄り付きの株価が上昇した場合は「寄り付き高」と言われ、下落した場合は「寄り付き安」と言われます。
  6. 指値・成行き注文: 寄り付き時には、指値注文(あらかじめ決めた価格での取引を希望する注文)と成行き注文(現在の相場での取引を希望する注文)の両方が利用できます。
  7. 外国株式市場の影響: 日本株の寄り付き前に、アメリカやヨーロッパなどの海外市場が取引されます。そのため、海外市場の動向によって、日本株の寄り付き価格に影響が出ることがあります。

1.株の寄り付きを説明する前に知っておきたい基礎知識


「株の寄り付き」とは、株式市場で取引が始まる時点のことを指します。一般的には、日本の東京証券取引所の場合、午前9時に始まる取引開始の時点を指します。

この寄り付きの時点で、各株式の始値が決定され、その後、売買が続けられます。寄り付きは、市場全体の動向や、その日の個別銘柄の取引のスタート地点となる重要な時間帯です。

まず国内株の売り・買いを取り仕切っている東京証券取引所(日本取引所グループ)を中心とした取引所の立会時間(売買が可能な時間)は平日 午前09:00~11:30、午後12:30~15:00です。

また、売り・買いの注文を受け付けている時間は平日 午前08:00~11:30、午後12:05~15:00です。

株価は「買いたい人」と「売りたい人」のバランスで決まる「競り」をイメージすると分かりやすいと思いますが、株式投資では「買いたい人」と「売りたい人」の気持ちが目に見えるようになっていることが特徴です。

それは「板」という形で表されます。例えば株価が1,000円(前日終値)の銘柄があったとします。

1,000円で買いたい人もいれば、990円なら買いたい、イヤ960円まで下がれば買いたいというようにそれぞれいくらで買いたいかは異なりますが、通常は安ければ安いほど買いたいと思う人は増えます。

もちろん1,005円でも1,020円でも買いたいと思う人もいますが。

売りたい人も同様に、1,000円で売りたい人から1,050円だったら売りたい、また990円でも売りたいと思う人もいます。

それぞれ人の思う株価で売り・買いの注文を出すのですが、これらが朝8:00~画面上で「寄り付き前の気配」として見ることができ、今日は買いが強いのか、売りが強いのか「気配」を確認することができます。

2.株の寄り付きについてわかりやすく説明

少し前置きが長くなりましたが、09:00。ここからが取引開始、いわゆる「寄り付き」となります。

寄り付きとは取引開始後に最初に付く値段を指します。午前は「前場寄り付き」、後場は「後場寄り付き」と言われますが、寄り付きと言われると多くの場合「前場寄り付き」を指します。

寄り付きに成り行きで株を買う場合

成り行き注文とは株価を指定しない注文です。指定しないとは、いくらでもいいから買いたい、いくらでもいいから売りたいといった強い意思表示です。成り行きとは別に、指値注文とは自分の思う(指定した)株価で注文することを言います。

上記の例で掘り下げてみます。

①株価が1,000円(前日終値)の銘柄があったとします。

②寄り付き前の気配は1,000円で買い、1,010円で売りとします。

1,010円の買い指値でも買える可能性はありますが、1,020円で寄り付いた場合は買えず(その後1,010に下がれば買えますが)となります。

一方、成り行き注文であれば必ず買えるのですが、「いくらでもいい」強い意思表示ですので、1,010円の売り気配にある株数以上の株数を注文した場合は、自分の買い注文によって寄り付き値を自分で上げてしまうこともあります。

結果的に1,020円で買うことができた、1,040円で買うことができた、となることもあり、成り行き注文は「強い意思表示」であることを念頭に入れておく必要があります。

また、注意点がもう1つ。それは資金額です。

株価が1,000円の場合、1日の値幅(その日に上下できる値段の幅)は300円です。どんなことがあってもその日はそれ以上動きません。

成り行き注文の場合は、極端にいうと1300円でも買いたいといった意思表示ですので、例えば100株の成り行き注文には資金が1,300円×100株=130,000円必要ですのでご注意を。

寄り付きに成り行きで株を売る場合

これは単純に買いの逆となり、いくらでもいいから売りたいといった「強い意思表示」です。

一度に多くの成り行き売り注文を出すと、気配値が下がり、それを見た別の投資家を警戒させることとなります(買いの場合は逆に何かあるのか?と期待を抱かせることもあります)。

それによって元々出していた買い注文を取り消したり、売りを促すこととなりますので、出来高が少ない銘柄については、成り行き注文でも数回に分けて行うことが得策と言えます。

知っておきたい時間優先の原則

ある投資家と、他の投資家が同じ銘柄、同じ値段で売り・買いの注文を出した場合、注文が出された時間が早い方が優先される原則のことです。

デイトレードなど短期売買をされる方はスピードを重視する必要もありますが、近年はプログラムによるシステム的なトレードが増えており、コンピューターには敵いません。

知っておきたい価格優先の原則

上記しましたように、株価は「買いたい人」と「売りたい人」のバランスで決まる「競り」と同じですので、より高い株価で注文を出す方が優先される原則のことです。

その意味で「成り行き注文」は優先されることが理解できると思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。

株の寄り付きについて知っておきたいルールや買い方、売り方について紹介しました。

ぜひ株取引と参考にしていただければと思います。