ナマポという言葉がどういう意味なのか気になっていませんでしょうか。
ネットスラングとして使われているこの言葉は、生活保護の略語です。
今回の記事では、ナマポができた語源や歴史についてわかりやすく解説しています。
目次
1.ナマポとは?
「ナマポ」とは、”生活保護 “の略称です。この言葉は主にネットスラングとして使われています。
一部の人が不当に受給していることから、蔑称として使われることが多いです。
「生命保険」の略称を使うと「生保」になるため、生活保護の略称すると同じになってしまうため、ナマポという造語ができたと考えられています。
主に2ちゃんねるなどのネット掲示板やサイトでコアなネットユーザーが使用しているが、TwitterやFacebookなどのSNSにも広がり、稀にではあるがネット外でも聞かれるようになりました。
ナマポという言葉を使った例文
ナマポとは、主にネガティブな文脈で使われるスラングです。
例えば、SNSや匿名掲示板などで「ナマポ、ちゃんと働けよ」というような書き込みは珍しくもありません。
さらに、”ナマポでよかったね!”のように皮肉で使われることもあります。
ただし、このスラングは主にネットユーザーが使うものなので、日常生活で使うのは適切ではありません。
2.ナマポという言葉が生まれた背景
「ナマポ」という言葉が生まれた背景には、生活保護や生活保護受給者への蔑視など、複雑な事情があります。
インターネット上で自然発生した俗語であるため、普及の原因ははっきりしないが、大まかな流れを把握しておくことは重要です。
貧困に苦しむ人が増え、生活保護を受けるようになったことも、「ナマポ」の誕生に関係しているのかもしれません。
日本の生活保護制度が世間の注目を浴び始めたのは2000年のことです。インターネット上で「ナマポ」という言葉が生まれたのもこの頃になります。
総務省統計局の調査によると、1990年から2014年にかけて、日本の非正規雇用者数は2倍以上に増えていることがわかりました。
これは、正社員として終身雇用を得られる若者の割合が減少していることを示していました。若者の将来に対する不安も増大し、「ネットカフェ難民」が目立ち始めたのもこの時期です。
ネットカフェ難民とは、家賃が払えなくなったために、ネットカフェで寝泊まりする若者たちのことです。
また、このナマポという言葉が広まったのには、一部の人による生活保護の不正受給が発覚し、世間から批判を浴びたからです。
年収や健康状態を偽って生活保護を受給し、働かずに生活している人がいることが発覚しました。2000年代以降、こうした事例が数多く明るみに出て、社会問題化しました。
また、審査の抜け穴を利用した受給者の出現も、生活保護制度への批判に拍車をかけています。
具体的には、「公共交通機関が使えない」「車がないと働けない」という理由で、自家用車の保有を申請するのです。
こうした受給者が報道されるようになると、「生活保護は怠け者を楽にする制度だ」という否定的な意見も出てきました。
3.生活保護法とは?
生活保護法とは、簡単に言えば、国や自治体が生活に困っている国民に生活費を支給する法律です。
しかし、インターネットの普及により、「働きたくないから生活保護法を申請する」「特定の国から来た外国人が日本人より優遇されている」「最低時給で働く人より生活保護法受給者の方が多く支給される」などといったことが明らかになってきました。
「生活保護法」という言葉がネガティブな意味で使われることが多いのは、インターネットによって実態が明らかになり、不当な給付が横行しているためです。
生活保護法の4つの基本原理とは?
生活保護法は、「生活困窮者の最低限度の生活の確保」「自立の促進」「差別の防止」「補足的保護の保障」という4つの原則に基づいています。
これらの原則は、すべての人が、その状況にかかわらず、健康で充実した生活を送る機会を持つことを保証するものです。
生活保護制度は、年金や医療費補助など他の支援を補完し、本当に困っている人を支援するためにあります。
生活保護法の4つの基本原則とは?
生活保護法は、「適用の原則」「基準・程度の原則」「必要性即応の原則」「世帯単位の原則」の4つの原則に基づいている。
適用の原則とは、生活保護の手続きは、生活困窮者の申請から始まるということである。すべての生活困窮者は、生活保護を申請する権利を有しており、申請することによって、その権利を行使することになる。
基準・程度の原則とは、「健康で文化的な最低限度の生活を営むための基準」とされる具体的な金額があり、その基準と要保護者の実際の収入との差額を埋める形で生活保護が行われることを意味する。
生活保護(ナマポ)はいくら貰える?
生活保護の受給額は、憲法第25条で定められた最低生活費から、世帯の収入と資産を差し引いて計算されます。収入も資産もない世帯の場合は、最低生活費の上限額が生活保護費として支給されます。
パートなどで働いている人がいる世帯では、最低生活費から賃金を引いた額が生活保護費の受給額となります。例えば、最低生活費が13万円で、収入が5万円の場合、生活保護費として8万円が支給されます。
最低生活費は、申請者の個々の状況に基づいてケースワーカーが決定します。ケースワーカーは、8種類(住宅扶助や教育扶助など)の援助を考慮して判定を行います。
50代の夫婦二人暮らしの場合、生活扶助119,850円、住宅扶助64,000円、合計183,850円が支給される可能性があるそうです。
30代の夫婦と小学生の子供2人の場合、生活扶助173,400円、住宅扶助69,800円、児童扶養手当20,000円、教育扶助5,200円、合計268,400円が支給される可能性があります。