面接で「なぜリーダーになりたいのか」と聞かれたら?評価される回答例

昇進試験や転職活動の面接で、必ずと言っていいほど聞かれる質問。 「なぜ、あなたはリーダーになりたいのですか?」

あなたは、この質問に即答できますか?

「年収を上げたいから」「会社に言われたから」……それが本音かもしれません。しかし、面接官が求めているのは、単なる意欲確認ではなく**「組織を率いる覚悟」「リーダーとしての適性」**です。

この記事では、多くの候補者が悩み言葉に詰まってしまうこの質問に対し、**面接官を納得させる「回答の型」と、そのまま使える「具体的例文」**を紹介します。

なぜ面接官は「なぜリーダーになりたいのか」と質問するのか?

回答を作る前に、まず相手(面接官)の意図を知ることが重要です。面接官はこの質問を通して、主に以下の3点を確認しています。

1. 「個人の成果」から「チームの成果」へ視座が変わっているか

プレイヤー時代は「自分がどれだけ売ったか」が評価基準でした。しかしリーダーは**「チーム全体でどれだけ勝てたか」**が問われます。 「自分が目立ちたい」という欲求ではなく、「他人を勝たせたい」「チームで大きな仕事を成し遂げたい」という視点への切り替えができているかを見ています。

2. プレッシャーに耐える「覚悟」があるか

リーダーには、部下のミスに対する責任や、目標達成への重圧がのしかかります。 「なんとなくカッコ良さそうだから」という生半可な動機では、困難に直面したときに折れてしまいます。面接官は、その**「逃げない覚悟(マインドセット)」**の源泉を探ろうとしています。

3. 会社のビジョンとマッチしているか

会社によって「プレイングマネージャーとして先頭を走る姿」を求める場合もあれば、「後方支援で部下を育てる姿」を求める場合もあります。あなたの「なりたいリーダー像」が、会社の方向性と合致しているかを確認しています。


説得力が増す!リーダー志望動機を作る3つのステップ

いきなり文章を書き始めるのではなく、以下の3ステップで要素を整理すると、説得力が格段に上がります。

STEP1:過去の「原体験」を掘り起こす(Reason)

抽象的な言葉ではなく、あなたの実体験に基づいたエピソードを探します。

  • 成功体験: 後輩にアドバイスをして、それが成果に繋がった時に自分のこと以上に嬉しかった経験。

  • 苦労体験: チームの連携がうまくいかず悔しい思いをし、「もっとこうすれば良かった」と痛感した経験。

  • ロールモデル: 尊敬する上司の行動を見て「自分もこうなりたい」と強く思った瞬間。

STEP2:リーダーとして「実現したいこと」を言語化する(Vision)

リーダーになった後、具体的に何をしたいかを考えます。

  • 「メンバー全員が自律的に動けるチームを作りたい」

  • 「今の部署の業務フローを改善し、残業をゼロにしたい」

  • 「個々の強みを活かして、過去最高益を達成したい」

STEP3:その会社・部署でなければならない理由と結ぶ(Connection)

なぜ「今の会社(または応募先の会社)」でリーダーをやる必要があるのか。

  • 「御社の〇〇という理念に共感しており、その文化を継承・発展させたいからです」


そのまま使える!「なぜリーダーになりたいのか」回答例文5選

ここからは、シチュエーション別の回答例文を紹介します。これらをベースに、ご自身のエピソードを組み込んで調整してください。

回答例1:チームで成果を出すことに喜びを感じる(王道)

【ポイント】 「個人の限界」と「チームの可能性」を対比させることで、リーダーを目指す必然性を強調します。

「私がリーダーを志望するのは、『一人で出せる成果の限界』を超え、チームでより大きな価値を創出したいからです。 これまではトップセールスを目指して個人目標の達成に邁進してきましたが、ある時、チームで連携して大型プロジェクトを成功させる経験をしました。その際、個人の達成感とは比べ物にならないほどの喜びを感じました。 今後は、自分のノウハウを周囲に還元し、チーム全体として業績を最大化させる役割に挑戦したいと考えています。」

回答例2:後輩・部下の育成に貢献したい(マネジメント視点)

【ポイント】 「人の成長=自分の喜び」という価値観を示すことで、マネージャーとしての適性をアピールします。

メンバーの成長を支援し、彼らが活躍できる環境を作りたいと考えたからです。 現在、後輩のメンターを担当していますが、伸び悩んでいた後輩が私のサポートによって自信をつけ、初受注を獲得した瞬間に立ち会いました。その時、自分が売ること以上のやりがいを感じました。 リーダーとして一人ひとりの強みを引き出し、組織全体の底上げに貢献したいと強く思っています。」

回答例3:現場の課題を解決し、組織を強くしたい(課題解決)

【ポイント】 現状の課題を冷静に分析できている点と、それを「自分が」解決するという当事者意識をアピールします。

現在のチームが抱える『属人化』という課題を解消し、誰でも成果が出せる強い組織を作りたいからです。 現在は特定のベテランに業務が集中しており、彼らが不在になると現場が回らないリスクがあります。私はリーダーとして業務プロセスの標準化とナレッジの共有を推進し、組織としての足腰を強くすることに貢献したいと考えています。」

回答例4:理想のリーダー像・ロールモデルがいる(影響)

【ポイント】 具体的なモデルを挙げることで、目指すリーダー像の解像度が高いことを伝えます。

「以前、〇〇プロジェクトでご一緒した△△課長のように、『苦しい時こそ先頭に立ち、メンバーを守れるリーダー』になりたいからです。 トラブル発生時、△△課長は誰よりも早く対応し、私たちには安心して業務に集中できる環境を作ってくださいました。その背中を見て、次は私がその役割を担い、部下が安心して挑戦できるチームを作りたいと決意しました。」

回答例5:【未経験向け】過去の失敗や悔しさをバネにしたい

【ポイント】 失敗経験を隠さず話すことで、「学習能力」と「改善意欲」の高さを示せます。

「過去にプロジェクト進行役を務めた際、メンバーの意見をまとめきれず、チームを混乱させてしまった悔しい経験があるからです。 当時は『自分がやらなければ』と抱え込んでしまいましたが、今は『メンバーを頼り、任せること』の重要性を学びました。過去の反省を活かし、今度こそメンバーが働きやすい円滑なチーム運営を実現したいと思い、リーダー職に立候補しました。」


絶対に言ってはいけないNG回答例

以下の回答は、面接官に「リーダーとしての資質がない」と判断される可能性が高いため注意が必要です。

× 「給料や待遇を上げたいからです」

本音としては正当な理由ですが、面接では「利己的で、チームのために働けない人」と見なされます。

  • 言い換え: 「より高い視座で責任ある仕事に挑戦し、その結果として自身のキャリア価値も高めたい」と変換しましょう。

× 「会社に指名されたから/年次的にそろそろだから」

主体性がない回答は最も評価が低くなります。「自分の意思がないリーダー」についていきたい部下はいません。

  • 言い換え: 「会社からの打診をきっかけに、改めて自分のキャリアを見つめ直し、今こそチームに貢献すべき時だと覚悟を決めました」と、自分の意思に着地させましょう。

× 「自分の思い通りにチームを動かしたい」

独善的でパワハラ気質の恐れがあると判断されます。リーダーの仕事は「支配」ではなく「支援」です。


まとめ:リーダー志望動機は「過去の経験」×「未来の貢献」

「なぜリーダーになりたいのか」という問いは、あなたのキャリアの棚卸しをする絶好の機会です。

  1. 原体験: 過去に心が動いた瞬間(嬉しかったこと、悔しかったこと)を思い出す。

  2. 未来: どんなチームを作りたいか(Vision)を描く。

  3. 貢献: それが会社にとってどうプラスになるかを伝える。

この3つが繋がったとき、あなたの言葉には面接官を頷かせる「重み」と「熱」が宿ります。 かっこいい言葉で飾る必要はありません。あなた自身の言葉で、覚悟を伝えてきてください。