ミャンマーの生活に欠かせない!「タナカ」とは何かを紹介

ミャンマー タナカ

「タナカ」と聞くと、日本人は名前の「田中」を連想しますが、ミャンマーにも人々の生活に密着したタナカ(thanakha)というものがあります。

このタナカはすごいパワーがあり、世界から注目されているというのですが…。今回はミャンマーのタナカについてご紹介します。

ミャンマーでよく見られる「タナカ」とは

ミャンマーの、特に地方に行くと、女性や子供、時として男性も顔に白っぽいものをペイントしているのをよく見かけます。

頬や鼻すじに塗るのが普通で、花や首、耳、腕や胸元に至るまであらゆるところに塗ることができるものなのですが、これがタナカです。

ただ塗るだけでなく、花や葉、幾何学的な模様にしたりして、おしゃれの一表現としても使われています。

タナ(Thana)は「汚れ」、カ(Kha)は「清潔」という意味なので、「タナカ=汚れを落とす」ということになりますが、石鹸としてではなく、主に日焼け止めや化粧品として使用されています。

タナカの原料について

タナカの色は一言で言えば黄土色ですが、白っぽいものから茶色っぽいものまで幅があります。このタナカの原料はミカン科に属するタナカの木です。

一口にタナカといっても、「Shweboタナカ」「Shinmadaung タナカ」「タウンジー Maukme タナカ」など数種類があります。

タナカの木を育てるのはさほど難しくありませんが、35年以上たたないと良質な原料として認められないそうです。

タナカの木は丸太状に切ったものが山積みになって売られており、それを家に持ち帰って少量の水と一緒に臼ですり潰し、ペースト状にして使います。

タナカの由来や成分を紹介

ミャンマー人がタナカを使用し始めたのは1000年以上も前からだといわれていて、日焼け止めや化粧品として使われてきました。

また、虫よけの他、後述のように、さまざまな効果があるとされています。では、タナカの成分はというと、まだはっきりとしたことが分かっていません。

というよりは、ミャンマーの国政がずっと不安定だったため、タナカの研究をするような情勢ではなかったというのが実情です。

学会で科学者が、タナカには酸化防止や美白の成分が含まれる、毒性はないというような研究発表をしたことはあるようです。

タナカの効果

タナカの効果は次のように言われています。

・太陽光線から肌を守る、日焼け防止

・毛穴を引き締める

・シミやシワを薄くする

・美肌効果、肌に透明感を出す

・ニキビや吹き出物を治す

・保湿効果

・肌の老化を防ぐ

天然成分であり、女性が喜ぶような美容の万能の効果がうたわれていますが、これらは経験から伝えられているものです。

タナカについては、なにぶんにもまだ研究が進んでおらず、科学的な証明はこれからというところです。

タナカの値段は?

タナカは15㎝ほどに切った丸太の形で売られており、金額は日本円で1本100円から150円といったところです。が、旅行者が木のままのタナカを買ってもすり潰す道具もなく、実用的ではありません。

そこで水を加えるだけで使える固形になったものや、ペースト状になってすぐ使えるようになっているもの、タナカ入りの石鹸やローションなどを購入することになります。

これらは町なかのスーパーや市場などで容易に見つかります。

値段の目安は次の通りです。クリームは100円前後ですが、ボトルが現地クオリティなのであまりお土産には向かない場合が多いです。

お土産用なら石鹸が150円から200円、チューブ入りボディークリームが500円前後です。近代化に伴い物価の上昇も著しいミャンマーなので、これより値段が上がっている可能性が大いにあります。

最後に

近代化が進む都市部では、タナカを顔に塗る伝統的な習慣が薄れています。この現象はおそらくこれから段々と広がっていくことでしょう。

一方、タナカの天然成分としての優れた特質は海外から注目されています。タナカの効能が解明されるにつれ、化粧品への応用など、違った形での利用が進んでいくのではないかと思われます。

ミャンマーに行く機会があれば、タナカの習慣を実際に確かめたり、タナカ製品を探したりしてみてください。