正直なところ、私たち日本人にとって、パキスタンはそれほどなじみがある国ではありません。パキスタンの話題と言えば、ニュースの中の出来事ぐらいでしょうか。
最近では、パキスタン料理のお店を見かけることもあります。ここでは、パキスタンの文化や習慣をまとめました。
目次
1.パキスタンの文化を知る前に!そもそも、どんな国なの?
パキスタンは、南アジアにある国で、インド亜大陸の西の付け根にあり、西はイラン、東はインドに接するシルクロード上にあり、多様な民族や文化の交流があり、古くから文明が栄えました。
人口は、2億人以上ですが、そのうち24歳以上が57%を占める若い国です。英領インドから、ヒンドゥー教徒はインド、イスラム教徒はパキスタンとして独立しました。
パキスタンに存在する主な民族は15以上あり、身体的特徴、歴史的血統、習慣、服装、食べ物、音楽などが異なっています。その中には、パンジャブ人、シンド人、バローチ人、パシュトゥーン人、カシミール人、ハザラ人、マクラニ人、バルティ人などがおり、インダス川流域など身近な地域からアフリカやチベットなどの遠い地域まで、さまざまな出身地があります。
古くからの民族的な要素に加え、イスラム教の宗教的な影響も、紀元700年に初めてこの地域に入ってきて以来、パキスタン文化を強く形作ってきました。
日本の2倍の国土を持ち、美しい風景と四季、豊かな土壌があり、首都イスラマバードは、「世界で二番目に美しい首都」と呼ばれています。
2.パキスタンの食文化は?
パキスタンの食文化①「代表料理」
パキスタン料理は、基本的にはインド料理に似ています。
代表料理としては、鶏肉をスパイスたっぷりで焼いた「チキン・ティカ・ボティ」、炊き込みご飯のような「シンディ・ビニヤニ」、水ではなくトマトピューレで煮込む「パキスタンカレー」などがあります。
ホテルやレストランでは、ナイフやフォークがサーブされますが、現地の人は手で食べることが一般的です。
パキスタンの食文化②「飲み物、スイーツ」
辛い料理(辛い料理ばかりではありませんが)を食べた後、水は使わず牛乳だけで作るスパイスたっぷりのチャイがよく飲まれます。街中でもチャイを売っています。
サブダナ・キールは、タピオカ入りの温かいスイーツです。
チャイはパキスタンのどこにでもあります。おそらくアルコール消費国でのビールの存在と同じような感覚でしょう。
パキスタンの食文化③「マンゴーの産地」
パキスタンではさまざまなフルーツが栽培されていますが、特におすすめはマンゴーです。
2011年に、パキスタンから日本へのマンゴーの生果実の輸入が認められ、2014年からは、イオンなどで売られるようになりました。ぜひ、味わってみてくださいね。
3.パキスタンの習慣について
パキスタンの習慣①「車は左側通行」
パキスタンでは、車は日本と同じ左側通行です。
走っている車の9割以上が日本車で、日本製品への信頼が厚いです。派手に装飾されたデコレーション・トラックを見かけることもあります。
パキスタンの習慣②「スポーツはクリケットが人気」
パキスタンでは、クリケットが国民的スポーツです。
2018年に行われた総選挙では、クリケットの元スター選手イムラン・カーン氏が首相になりました。
パキスタンの習慣③「挨拶の仕方」
男同士は握手して抱き合って挨拶、女同士なら頬に交互にキスします。男女のあいさつでは、抱き合ったりはしません。
街中で男同士で手をつないでいる人を見かけるかもしれませんが、ホモセクシュアルでなく、親しい間柄なだけです。
パキスタンの習慣④「チップ」
パキスタンでは、ホテルマンやポーター、運転手にチップを渡す習慣があります。
ただし、10%のサービス料があらかじめオンされているホテルやレストランでは不要ですが、含まれていない場合は5~10%を目安にしましょう。
パキスタンの習慣⑤「女性への接し方」
許可なく無断で写真を撮ることはNGです。パキスタンの女性は、家族以外の男性に話しかけたり一緒に座ったりはしません。
そんなパキスタンですが、国会議員に占める女性の割合は、22%です。意外に高いですよね?ちなみに日本は11%です。
パキスタンの習慣⑥「男女差別について」
人々は友好的だが、男女間の差別はまだ存在します。
イスラム教や部族の影響により、パキスタンの非都市部では様々なレベルの男女分離が行われていますが、大都市でも男女間の交流は保守的に考えられています。
また、大都市では男女の交流に保守的な傾向があり、人前で平静を装ってハグやキスをすることはありません。それにもかかわらず、パキスタンの人々は親切でフレンドリーで親しみやすく、謙虚です。
パキスタンの習慣⑦「音楽大好き」
音楽を聴くこと、そして作ることが大好きなパキスタン人は、多様な文化は、言語や文学とともに、パキスタンの音楽家たちにさまざまな詩の形式やスタイルを与えてきました。
カワーリーやガザールは、国民の宝物です。さらに、コーク・スタジオのようなパキスタンのテレビ番組は、パキスタン人以外やウルドゥー語を話さない人たちにも、国内外に数百万人のファンを獲得しています。
また、ヌスラット・ファテ・アリー・カーンのような伝説的な歌手やファイズ・アーメド・ファイズのような詩人を輩出し、文化や人々の集団意識に多大な影響を及ぼしてきました。
現代のミュージシャンも、ブルース、ファンク、ロック、ジャズなど、モダンなスタイルで演奏し、ウルドゥ語の融合を展開しています。
4.さまざまな問題を抱えるパキスタン…
あなたの周りで、パキスタンに旅行した人がいますでしょうか。あまり聞かないと思います。
パキスタンは、独立以来、クーデターが繰り返され、政局が安定せず、さらにイスラム過激派が入ってきて治安も悪いので、旅行先としては厳しいものがあります。
また、電力不足で、頻繁に停電が起き、インフラの整備も遅れています。国民の識字率も、男性が57%、女性に至っては33%と低いです。
最後に
パキスタンは、日本から距離的に遠いだけでなく、まだまだなじみの少ない国です。
しかし、成田からは週4便パキスタンへの直行便が出ていますから、これから、マンゴーをはじめ、いろんな貿易、交流が始まることを期待しましょう。