日本と韓国はお隣同士で、地理的にも、また昔からずっと交流が続いてきて文化的にもとても近い関係です。
マナーの面で、日本と韓国はすごく似ているところもあるし、全然似ていないところもあります。そんな「近くて遠い国」韓国のマナー事情をご紹介しましょう。
1.韓国のマナーの根幹は、儒教
韓国では、マナーだけでなく、社会生活全般や道徳、生活様式、さらには、法体系の基礎にも、儒教文化が深く浸透しています。
そもそも、韓国における儒教の影響とはどんなものでしょう。一言で言うなら、「厳格な年功序列」、簡単に言うと、「年長者の言うことは絶対!」ということです。
もちろん、時代とともに変化の兆しはありますが、最先端の考え方とともに、根底に流れている儒教に基づいた保守的なマナーが混在しているのが韓国のマナー事情と言えるでしょう。
2.韓国の食事に関するマナーを紹介
目上の人より先にお箸をつけるのはNGです。食事の時には、お箸とスプーンがサーブされますが、おかずをお箸で、スープとご飯をスプーンで食べます。
日本では、「お茶碗をちゃんと持ちなさい」と子供の時叱られたことがあると思いますが、韓国では、器は手に持たず、テーブルに置いたまま食べます。
日本では、「汁かけごはん」や「ねこまんま」はお行儀がいい食べ方ではありませんが、韓国では、スープにご飯を入れてもOKです。ご飯にスープをかけるのはNGです。
飲酒の際、年上の人にお酌をします。これは日本と同じですね。杯にまだ残っている時に注ぎ足すのはNGです。縁起が悪いこととされています。
年上の人から注がれるときは、両手で杯を持ちます。注がれたら、たとえ一口でも飲まなければなりません。
食事にも飲酒にも、儒教の「長幼の序=年配者を立てる」精神がはっきりしていましすね。
3.旅行前にチェック!韓国の交通マナーを紹介
韓国の電車やバスにも日本同様、優先座席がありますが、優先座席でなくても、年配の方が乗ってこられたら、若い人は積極的に席を譲ります。
年上の人を敬っている気持ちの表れです。これは、日本でも見習いたい習慣です。
ところが、車のマナーとなると、ちょっと事情が違ってきます。韓国の交通マナーをぴったり言い表す言葉が「パリパリ」です。「パリパリ」とは、「早く!早く!」という意味です。
車間距離が短く、少しでも間を開けようものなら、クラクションを鳴らされます。
日本でも、最近は悪質な「あおり運転」が問題になっていますが、交通マナーは、民度を表すといいますもの。お互い、気を付けたいですね。
4.韓国の贈り物に関するマナー
日本でも、昔から「盆暮の付け届け」(お中元、お歳暮)など贈り物は盛んでした。でも、韓国は、誕生日やクリスマスに限らず、贈り物をする機会が日本よりたくさんあります。
なかでも注目は、「ぺギル」と呼ばれる100日記念日です。赤ちゃんが生まれて100日、カップルが出会って100日、もちろん、結婚して100日など、100日目を祝う習慣があります。
とりわけ、赤ちゃんが誕生して100日目を祝うのは伝統です。
日本にも、さまざまな自動販売機がありますが、韓国の街角には「生花」や「ドライフラワー」の自販があります。
韓国では、デートの時、たとえ1本の花でも贈るのが愛情の証と考えられています。お花の自販は、そのためだったんですね。
韓国で避けたい贈り物は、ハンカチと白いユリです。ハンカチは涙をぬぐうものなので、不幸を待っているように受け止められます。白いユリも死者に捧げる花として嫌われます。
最後に
韓国のマナーのごく一部、基本的なことをご紹介しました。お国が違えば、マナーも異なります。
それは当然のことです。違いを違いとして認め、気持ちよくお付き合いしたいものですよね。