最近、サウナの話を聞くことが多かったので、以前から興味のあった「サウナ」に初めて行ってきました。
元々、銭湯に行ったことも数回程度しかなく、
「サウナなんてドMの集まりでしょ。なにが楽しくあんなに熱いところでジッと耐えてるんだか。笑」
なんて思っていました。
けれども、年齢重ねると、未体験のサウナに興味が年々増加していきました。
「サウナってひょっとして奥深いんじゃね?」
「サウナってどんなところなんだろ?」
「自分だったらどのくらい熱さに耐えられるんだろう?」
と思うようになり、ネットで銭湯を検索していると、近所にサウナのある銭湯があったので、ついに初体験のサウナに行ってきました。
その時のレポートをご紹介します。
銭湯初心者が初めて「サウナ」に行ってみた!
銭湯に到着したところ、店の前の喫煙所で気持ちよさそうにたばこをふかしている老人男性がいました。
その場所だけ、昔ながらの日本の街並みのように感じられ、若干テンションも上がります。
銭湯の目の前に自販機があったので、
「サウナでは、きっと汗もかくだろうから、脱水には注意しないといけないな」
と思い、お水を購入しました。
銭湯のドアを開けると、靴用のロッカーがあり、靴をここで脱ぎます。
玄関をこえると、さっそくマッサージチェアや、テレビ、大きめのテーブルがある多目的フロアがあり、
「ドラマでよく見る光景だなぁ」としみじみ思いました。
多目的フロアを過ぎると番台におじさんがいます。
番台を境目に女湯と男湯がわかれています。
これも銭湯といわれてよく思い浮かぶシーンですよね。
その番台のおじさんに、「サウナに入りたいです」と伝え、料金(今回の銭湯では700円、一般的にサウナ&入浴は700円が相場のようです。入浴のみだと480円でした)と靴のロッカーの鍵を渡します。
すると、番台のおじさんから、番号のついた、への字のプラスチックを渡され、男湯に誘導されます。
最初、このプラスチックをロッカーの鍵と勘違いして、記された番号のロッカーを使おうとしたところ、そのロッカーは使用中だったため、
「これはなにに使うんだ?」
と疑問を抱えたまま、ロッカーに入れてしまいました。(後ほど、これの使い方がわかります)
着替えをすませ、いざ浴室に向かいます。
浴室は大きな浴槽と無数のかけ湯ゾーン(カランとシャワー)に分かれています。
浴室に入ったら、積まれた椅子と桶から自分の分を持っていき、かけ湯ゾーンで身体のよごれを落とします。
この時、カランからお水が出るほど、温度が低い場合があるので、注意が必要です。
身体を洗い、ついにサウナに向かいます。
が、サウナの扉には「引く」と書かれているのに、引くための手すりがありません。
しかし、なにかを入れる鍵穴のようなものがあります。
そうです。ここであの番台のおじさんから預かっていたへの字のプラスチックが必要になるのです。
急いで、ロッカーからサウナの鍵を持ってきて、RPGゲームで、開けなかった扉を、見つけてきた鍵で開けるような感覚でサウナの鍵穴に差し、扉を開けます。
が、そんなわくわく気分も一瞬でなくなりました。
扉を開けた瞬間、サウナの熱風が、ずっしりと重いパンチのように、全身四方八方に襲い掛かってきたのです。
温度計をみると、90℃を越えています。
想像してみてください、90℃越えの世界を。
お湯がブクブクしだして沸騰しそうになる温度、卵を数分入れておけば温泉卵が出来上がる温度です。
「こんなところに長い時間いたら、目ん玉飛び出て蒸発しちゃうよ…」
そんな感覚になりながらも、サウナ内を観察してみると、テレビや、温度計、時計がありました。
三段の腰掛スペースの最下段に座り、ジッと時計を見ます。
秒針が半周…一周…「ああもう無理、気絶しそう。てか、何この吹き出る汗!」
そして…秒針が二周目を過ぎた段階で、「このままだとヤバい…出よう」と負け犬のように早々に撤退してしまいました。
なお、テレビではバラエティ番組が放送されていましたが、驚くほどに内容は全く頭に入ってきませんでした。笑
てか、サウナでテレビ見入ったら、事故になりますよ。笑
サウナを出た後は、水風呂に入るのが一般的で、これが気持ちよくてサウナ好きな方も多い、と聞いていたので、意識がもうろうとしながらも、水風呂に足をいれました。
「あー気持ちいい…わけねーだろー!ちょっと今日の水冷たすぎない?いつもより冷たく設定してない?こんなのは入れない!」
なんて思いながら、下半身を入れただけで、こちらも早々に撤退してしまいました。
周りの方々は、サウナと水風呂を交互に出たり入ったりしていましたが、私には無理でした。
その後、温度の低いシャワーをしばらく浴びて、浴槽のお風呂に浸かりました。
「あ~こっちの方が圧倒的に気持ちいいなぁ」
としばらく浸かっていたのですが、「なんのためにここに来たのか」とふと我に返ります。
そして、ふつふつと湧き上がる闘志。
「もう一度チャンスをください!!」
そんな、背水の陣の中、敗者復活戦に挑む、挑戦者のような気持ちで、ほてった身体をシャワーで冷やし、もう一度サウナに向かいます。
扉を開けた瞬間に襲い掛かる攻撃力100万の熱風、座った瞬間おもわず「熱っ」と声が出そうになる腰掛、数十秒が数分であるかのように感じさせる時計。
「give me a chance 最後に賭けてみたいんだ!once more a chanceこのままでは終われないんだ…」
サムシングエルスのラストチャンスが頭に流れるけれど、
「やっぱ、無理!!」
2回目の挑戦は1分も持ちませんでした。笑
止まらない汗をひたすらシャワーで流し続け、身体の熱が少し落ち着いたところで浴室を後にしました。
着替えて、下着をはいたところで、気づきました。
人って、負けを自覚した時、無意識にスラムダンクの三井寿のポーズになるんですね。
完全に負けました。サウナに完敗でした。
本当になめてました、サウナで5分なんて余裕だろ、と思っていた自分をひっぱたきたいです。
自分が知らない世界に対し、未体験ゆえに、根拠のない自信で突っ走っていける高校生ような気持ちで挑みましたが、開始2分ノックアウト負けでした。
その間も、汗はひたすら流れ、先ほど購入しておいた、お水は一気に飲み干しました。
そうそう、この時のお水、馬鹿みたいにおいしかったのをよく覚えています。笑
想定では、腰に手を当てて、コーヒー牛乳を飲んでいるはずが、三井寿ポーズのまま身動きが取れず、おまけに後ろでは、じいさんが歯磨きしながら、
「カー、ガー、ぺっ」
タンを吐き出しています。
「俺にはこのシーンがお似合いだぜ、じいさんよ…」
ようやく、残りの着替えを終えて、番台のおじさんにサウナの鍵を返し、靴のロッカーの鍵を返してもらいました。
家路の道のりでは、負けた腹いせで、
「二度とサウナなんて行かねー!金の無駄だわ!」
と思いました。
家についてからも、汗が止まらなく、冷蔵庫のお水をがぶがぶ飲みました。
かなりの汗をかいてしまったので、服もべたつき、シャワーでさっぱりしたいと思い、シャワーに入ることにしました。
「やっぱり、家でシャワー浴びるくらいがちょうどいいなぁ」
と思いながら、汗で湿った頭を洗い、身体の汗を流して、シャワー室から出ると、なぜか物足りなさを感じている自分がいました。
その後、冷房の効いた部屋で休んでいると、なぜか、あのサウナという強敵に、また挑戦したくなっている自分がいることに気づきました。
世の中の、サウナにハマる人たちの感覚が少しわかったような気がした、今回のサウナ体験でした。
興味はあるけれど、まだサウナに行ったことがない人は、この記事を参考にして、ぜひサウナ体験をしてみるといいと思います。
もしかすると、新しい趣味になるような、そんな不思議な魅力がサウナにはありました。