クレマン(KLEMAN)ガイド!人気モデルやサイズ感、パラブーツとの違いを解説

「本格的な革靴が欲しいけど、どれを選べばいいか分からない…」 「パラブーツは憧れるけど、値段がちょっと…」

そんなあなたにこそ知ってほしいのが、フランス生まれのワークシューズブランド**KLEMAN(クレマン)**です。

この記事では、KLEMANがなぜこれほどまでに多くのファッション好きに愛されているのか、その理由を徹底的に掘り下げます。

この記事を読めば、以下のことが全てわかります。

  • KLEMANがどんなブランドで、なぜ信頼できるのか
  • PADROR、FRODAなど人気モデルそれぞれの特徴と選び方
  • 失敗しないための正確なサイズ選びの方法
  • 永遠のライバル「パラブーツ」との決定的な違い
  • KLEMANを長く愛用するためのお手入れとコーデ術

この完全ガイドを読めば、あなたもきっとKLEMANの魅力に気づき、最適な一足を見つけられるはずです。


 

1.KLEMAN(クレマン)ってどんなブランド? – フランス製へのこだわりと信頼の歴史

KLEMANは単なるおしゃれな靴ではありません。その背景には、フランスのワークウェアとしての確かな歴史と品質へのこだわりがあります。

消防士や国鉄職員も愛用する「本物」のワークシューズ

KLEMANの品質を最も分かりやすく証明しているのが、その「ミリタリースペック」基準です。

これは、フランス軍や国家憲兵隊、消防署、さらにはフランス国鉄(SNCF)やエールフランス航空といった、国の重要な機関で正式に採用されてきた実績を意味します。

プロの現場で求められるのは、滑りにくさ、一日中履いても疲れない快適さ、そして何より頑丈さ。KLEMANは、そうした非常に厳しい基準をクリアしてきた、いわば「お墨付き」のフットウェアなのです。

このタフな背景こそが、KLEMANの無骨な格好良さと、雨の日でもガシガシ履ける安心感につながっています。

1988年創業、今も続く「メイド・イン・フランス」

KLEMANは、1988年にCLEON社という靴メーカーによって立ち上げられました。驚くべきは、大量生産が主流の現代において、今なおフランスの自社工房での生産を続けていること。

メイド・イン・フランス」のラベルは、確かな職人技術と品質管理の証です。このクオリティを、手に取りやすい価格で実現している点に、KLEMANの最大の価値があります。

  • 親会社: CLEON社(1945年頃創業の老舗メーカー)
  • ブランド: KLEMAN(1988年にCLEON社が開始したワークレーベル)
  • 日本の正規代理店: 株式会社インス(日本公式オンラインストアを運営)

人気モデルを徹底比較!あなたに合うKLEMANはどれ?

KLEMANには似ているようで個性豊かなモデルが揃っています。ここでは特に人気の高い3つの定番モデル「PADROR」「FRODA」「PASTAN」を徹底解剖します!

① PADROR (パドラー):存在感No.1のチロリアンシューズ

KLEMANといえば、まずこのPADRORを思い浮かべる人が多いでしょう。ぽってりとしたボリューム感と、甲の部分のモカシンステッチが特徴的なブランドの顔です。

  • デザイン: カジュアルで存在感のあるチロリアンシューズ。
  • 履き心地: インソールに高性能クッション材「PORON」を採用し、見た目以上に快適。
  • おすすめコーデ: ワイドパンツ、デニム、軍パンなど、カジュアルで少し太めのパンツとの相性が抜群。足元にボリュームを出したい時に最適です。

② FRODA (フローダ):万能さが魅力のUチップ

FRODAは、上品さとカジュアルさのバランスが絶妙なUチップモデル。PADRORよりもスッキリしているので、合わせる服を選びません。

  • デザイン: クラシックで汎用性の高いUチップ。
  • 素材: 柔らかく、足馴染みの良い牛革を使用。革靴初心者でも履きやすいと評判です。
  • おすすめコーデ: スラックスと合わせたビジネスカジュアルから、ジーンズとの普段使いまで、まさに万能選手。迷ったらまずFRODAを選べば間違いありません。

③ PASTAN (パスタン):きれいめスタイルの王道プレーントゥ

PASTANは、3モデルの中で最もシンプルでクリーンな印象のプレーントゥシューズ。郵便配達員の靴(ポストマンシューズ)がデザインの原型です。

  • デザイン: すっきりとしたシルエットの外羽根式プレーントゥ。
  • 履き心地: 革靴の上品さとスニーカーのような快適さを両立。天候を気にせず履けるラバーソールも魅力です。
  • おすすめコーデ: テーパードパンツやスラックスと合わせて、きれいめなスタイルに仕上げるのがおすすめ。ショーツと合わせても上品にまとまります。

■ 一目でわかる!主要モデル比較表

モデル名 デザイン原型 見た目の特徴 シルエット おすすめのパンツ
PADROR チロリアン ぽってりしたモカシン縫い ボリューム感あり ワイドパンツ、デニム
FRODA Uチップ エレガントなU字ステッチ バランス型 スラックス、チノパン
PASTAN プレーントゥ クリーンでシンプル やや細身 テーパードパンツ

もう迷わない!KLEMANのサイズ選び完全ガイド

オンラインで靴を買う最大の不安は「サイズ選び」ですよね。ここでは、KLEMANのサイズ選びで失敗しないための具体的な方法を解説します。

■ 基本的な考え方

ネットの口コミを見ると「スニーカーと同じでOK」「ハーフサイズ下げるべき」など情報が錯綜していますが、以下のフレームワークで考えれば失敗のリスクを減らせます。

  1. 基準を知る: まず、自分がよく履くスニーカー(ニューバランス、コンバースなど)のサイズを基準にします。
  2. 足の形を考慮する:
    • 幅広・甲高の人: スニーカーと同じサイズを選ぶのが最も安全です。
    • 細身・標準幅の人: 革靴らしいフィット感を求めるなら**ハーフサイズ下(EUサイズで1つ下)**を検討しましょう。
  3. 革の伸びを理解する: KLEMANの革は柔らかく馴染みやすいですが、大きく伸びるわけではありません。最初に「痛い」と感じるサイズはNGです。
  4. 公式ストアのサービスを活用: 日本の正規代理店が運営する公式オンラインストアでは「返品・交換無料キャンペーン」を実施していることがあります。これを活用すれば、自宅で安心して試着できます。

■ 実際のユーザーレビューから見るサイズ感

スニーカーサイズ 足のタイプ 選んだKLEMANサイズ(EU) ユーザーの評価
27.5cm 扁平足・甲は低い 42 ベストフィット。かかとに指一本分の余裕。
25.5cm 41 (26.0-26.5cm相当) 少し大きめ。厚手の靴下で調整。
25cm 甲高・幅広ではない 40 (FRODA) やや大きめ。インソールで調整。

KLEMAN vs Paraboot 決定的な違いは?

KLEMANを検討する上で避けて通れないのが、フランスの高級靴ブランド**Paraboot(パラブーツ)**との比較です。特にPADRORはParabootの「MICHAEL」、FRODAは「CHAMBORD」とよく比較されます。

結論から言うと、この2つは**「優劣」ではなく「思想」が全く違う靴**です。

項目 KLEMAN (クレマン) Paraboot (パラブーツ)
価格帯 約2〜3万円台 約7万円以上
製法 セメント製法 ノルヴェイジャン製法
ソール交換 原則不可 可能
レザー 柔らかく、足馴染みが良い 油分が多く、堅牢で重厚
初期の履き心地 快適 硬い(慣らしが必要)
おすすめな人 実用性とコスパを重視する現実主義者 伝統と一生モノの価値を求める愛好家

■ KLEMANは「高性能な道具」、Parabootは「育てる家宝」

KLEMANの価値は、箱から出してすぐに最大限の性能を発揮し、天候を気にせずガシガシ履ける日々の実用性にあります。数年履いて、また次のKLEMANに買い替える。そんな現代的な付き合い方ができる「最高の道具」です。

一方、Parabootは、何度もソール交換をしながら10年、20年と履き続け、革の経年変化を楽しむ**「育てる家宝」**のような存在。その価値は、職人技と永続性にあります。

どちらを選ぶかは、あなたが靴に何を求めるか次第。**「すぐに使えて、タフで、高見えするフレンチシューズ」**を求めるなら、KLEMANは最高の選択肢と言えるでしょう。

KLEMANを長く愛用するためのお手入れ方法

KLEMANはタフな靴ですが、少し手をかけるだけで見た目の美しさが保たれ、より長く愛用できます。

■ 基本のお手入れ(月1回でOK)

  1. ブラッシング: 馬毛ブラシで全体のホコリを優しく払い落とします。これが一番大事な習慣です。
  2. 汚れ落とし: 固く絞った布で水拭きするか、革用クリーナーで汚れを拭き取ります。
  3. 保湿: デリケートクリームや栄養クリームを少量布に取り、薄く塗り込んで革に潤いを与えます。M.MOWBRAYSaphirの製品がおすすめです。
  4. 仕上げ: 乾いた布で余分なクリームを拭き取り、軽く磨いてツヤを出します。

ポイント: KLEMANの柔らかい革には、油性の強いワックスや防水スプレーの多用は避けましょう。革の呼吸を妨げてしまう可能性があります。基本的な耐水性はあるので、普段はクリームでの保湿を心がければ十分です。

■ 修理について

セメント製法のため、靴底を丸ごと交換する「オールソール」はできません。しかし、かかとのゴム交換や、つま先を保護するハーフラバーの貼り付けは可能です。数千円の修理で寿命がぐっと延びるので、かかとが減ってきたら近所の靴修理店に相談してみましょう。

明日から真似できる!KLEMANのおしゃれコーデ術

KLEMANの魅力は、なんといってもそのスタイリングの幅広さ。UNIQLOやGUといったベーシックな服から、セレクトショップのこだわりのアイテムまで、どんなスタイルにも不思議と馴染みます。

  • ワイドパンツ × PADROR: ミリタリーパンツやワイドデニムに、ボリュームのあるPADRORを合わせるのは王道の組み合わせ。現代的でバランスの取れたシルエットが作れます。
  • きれいめパンツ × FRODA/PASTAN: テーパードスラックスやアンクルパンツに、すっきりしたFRODAやPASTANを合わせれば、上品な大人のカジュアルスタイルが完成。オフィスカジュアルにも最適です。
  • 季節のコーデ: 秋冬はカラーソックスをちらりと見せたり、夏はショーツに素足風に合わせたりと、一年中活躍します。

どこで買う?日本でのKLEMAN購入方法

日本でKLEMANを手に入れる主な方法は3つあります。

  1. 公式オンラインストア: 日本の正規代理店(株)インスが運営。品揃えが最も豊富で、サイズ交換無料などのサービスが魅力。
  2. セレクトショップ: BEAMS、UNITED ARROWS、Bshopなど全国の主要セレクトショップで取り扱いがあります。実際に試着してサイズを確認できるのが最大のメリットです。
  3. 中古市場: メルカリなどでは、状態の良いものが1万円前後で見つかることも。コストを抑えたい方には賢い選択肢です。

KLEMANは「スタイルを意識する現実主義者」の最強の一足

ここまでKLEMANの魅力を徹底解説してきました。最後に、その長所と短所をまとめます。

KLEMANの長所:圧倒的なコストパフォーマンスフランス製ワークシューズとしての確かな品質と耐久性どんな服にも合う、時代を超えたデザイン買ってすぐ快適な、足馴染みの良い履き心地雨の日も安心の実用性

KLEMANの短所: ❌ ソール交換ができないため、寿命には限りがある ❌ あくまで実用靴であり、超高級革靴の質感ではない

結論として、KLEMANは**「初めての本格革靴を探している人」「オンオフ問わず、気兼ねなく毎日履ける相棒が欲しい人」**にとって、これ以上ないほど賢明な選択です。

スタイル、品質、価格のすべてにおいて、驚くほどバランスの取れた「思慮深い人のためのフレンチシューズ」。それがKLEMANなのです。